日像纛旛・月像纛旛(諸大夫の間)縦545×横91cm
纛旛とは,即位礼・儀式の際に庭上に立てられた,竿頭に糸飾りをつけて掛けられる大旗です。日像・月像は金色の太陽および銀色の月を刺繍します。昭和天皇の即位礼(昭和3年<1928>)で紫宸殿南庭にたてられたものを展示します。
牛車(新御車寄)
牛車は,上皇や皇族および貴族等の乗り物で,後ろから乗り,前から降ります。牛車を図案化した文様は,振袖や打掛などにあしらわれ,現代でも慶事の和装に好んで用いられています。天皇皇后両陛下のご成婚60年を祝して,花車(御車寄に展示)とともに,京都御所伝来の牛車を展示します。
写真パネル(回廊,西側)
今上陛下の京都御所茶会のお写真を展示します。
写真パネル(回廊,南側)
明治天皇「御即位図」,大正天皇・昭和天皇・今上陛下の即位礼のお写真を展示します。
鳳凰・麒麟の図(大臣宿所)
明治天皇の即位礼(慶応4年<1868>)で使用された御帳台の浜床(儀式用の玉座の台座)に画かれた鳳凰と麒麟の絵を展示します。この図様は現在の高御座・御帳台(大正4年<1915>の即位礼に際し製作)の浜床にも受け継がれています。
獅子狛犬(大臣宿所)
明治天皇の即位礼で使用された木造彩色の獅子狛犬像一対を展示します。獅子と狛犬は,玉座を護る役割をもっていたとされ,賢聖障子の中央にも画かれています。
賢聖障子(紫宸殿)
狩野典信・住吉広行・住吉弘貫筆 梥本武雄模写 九面 絹本著色 縦244.5×横261cm
紫宸殿の母屋と北廂の間には九面の賢聖障子が並んでいます。そのうち中央の一面には獅子狛犬と負文亀が,その東西四面ずつ計八面には,中国の殷から唐時代にかけての賢人32名が画かれています。即位礼に際し,紫宸殿に置かれていた高御座と御帳台が東京・皇居に移動されており,紫宸殿内部が見渡せるこの機会に,賢聖障子をライトアップし,人物や冠服についての解説をします。
帽額(小御所)縦156×横2,750cm
帽額とは,即位礼の際に紫宸殿正面の長押上に掛けられた幕です。今回展示するのは,大正天皇・昭和天皇の即位礼に使用されたもので,金色の日像を中心に,五彩の瑞雲が配されています。綴織という技法で織られ,意匠は京都御所でも障壁画を画いている原在泉が考案しています。
管絃<人形展示>(御学問所)
管絃とは,雅楽の一つで,管楽器(吹き物),絃楽器(弾き物),打楽器(打ち物)による奏楽です。琵琶・楽箏・笙・篳篥・龍笛の5つの楽器を演奏する様子を表現した人形(5体)を,今上陛下の即位礼饗宴の儀で演奏された「平調音取」「皇麞急」「陪臚」の調べ(宮内庁式部職楽部による演奏の音源)とともに展示します。
束帯,十二単<人形展示>(御三間)
平成2年(1990)の即位礼正殿の儀では,天皇陛下は黄櫨染御袍(御束帯),皇后陛下は,御五衣・御唐衣・御裳(十二単)をお召しになり,皇族各殿下以下も,男性は束帯,女性は十二単という日本古来の正装のお姿で参列されました。即位礼で用いられるものと同様の束帯と十二単を展示します。
襖絵(朝賀図)(管理事務棟)
住吉弘貫筆 御三間上段の間 襖十六・貼付一面のうち襖四面 紙本著色総金雲取砂子泥引 縦170×横82cm
御三間上段の間の襖絵「朝賀図」を展示します。朝賀は,元旦に皇太子以下群臣が宮中に集い,天皇に新年の祝賀を行う儀式であり,奈良時代から平安中期頃にかけて行われました。年中行事でありながら,一世一代の大礼である即位礼と同じ形式で行われた唯一の儀式で,朝賀図は,部屋の四方全面を使って画かれ,そのスケールの大きさと故実を良く伝えています。
京都府行幸啓年表(参観者休所)
ご即位30年のお歩みとして,京都府内へのお出ましを年表にし,併せてお写真を展示します。