「週刊新潮」(平成29年12月14日号)の記事について

平成29年12月14日

宮内庁は,「週刊新潮」12月14日号33ページに掲載された記事について,週刊新潮編集部に下記の内容を伝え,抗議をしました。



「週刊新潮」12月14日号33ページにおいて,ある官邸関係者の打ち明け話として,

「最近耳にしたのが,陛下が華やいだ雰囲気で皇居を去りたいお気持ちを持っていらっしゃるということ。具体的には,一般参賀のような形で国民に対してメッセージを発し,そのうえでパレードをしたいと考えておられるようです。その一方で官邸は,粛々と外国の賓客も招かずに静かにやりたいという考えがあって,そこで宮内庁とせめぎ合いをしていると聞いています」

と掲載されています。


平成の即位のときは,お代替わりと即位の礼の間に喪の一年間があり,即位の礼が執り行われるまでに1年10ヶ月の長い期間がありました。今次御譲位に当たっては,御譲位のある年の内,しかも数ヶ月の後という短い期間の後に,新天皇の即位の礼が執り行われます。


そのようなことから,陛下は,法案が通った非常に早い時期から,譲位の儀式の方はできるだけ簡素になさりたいとのお考えをお持ちであり,とりわけ,外国賓客の招待については,新天皇の即位の礼にお招きすることの可能性を考えられ,御譲位の儀式にお招きするお気持ちはお持ちでない,また,一般参賀については,最近のヨーロッパ王室におけるお代替わりの行事において,例外なく王宮のバルコニーで新旧の国王による国民に対する挨拶が行われていたが,陛下におかれては,そのようなことをなさるお考えのないことを度々,我々に留意するようご注意を頂いていたところであります。パレードについての言及はこれまでありませんでしたが,以上のようなことから,華やかなものをお考えとはとても考えられないことです。


宮内庁としては,このような陛下のお気持ちについては,早くより,十分に承知しており,内閣官房に対しても,御譲位の行事については,外国賓客を招いたりすることなく,宮殿内において粛々と静かに行われたい旨を伝えていたところであります。


冒頭引用した記事に掲載されている陛下のお気持ちやお考えは,事実に全く反するものであり,これを陛下のお気持ちであるかのように報ずることは,国民に大きな誤解を与えるもので,極めて遺憾です。


ここに,正しい事実関係を明らかにし,誤解を正すとともに,抗議いたします。

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