「週刊文春」(平成26年10月30日号)の記事について

平成26年11月7日

「週刊文春10月30日号」に掲載された「「セラピーが必要」と洩らされて・・・美智子さまが憂慮される愛子さま「独りぼっちの特別授業」」と題する記事についての事実関係及び宮内庁としての対応は下記の通りです。

  1. 同記事は,「千代田関係者」とされる人物の発言として,愛子内親王殿下が,学習院女子中等科において「お一人で授業を受けておられ」,「特定の科目において,愛子さまには別の先生が付くということがある」旨言及していますが,このような「特別授業」が行われている事実はありません。したがって,このようなことを愛子内親王殿下が皇后陛下にお話しになるはずもなく,「美智子さまは,愛子さまと直接お話された中で,“特別授業”の存在にお気づきになった」とする「千代田関係者」の発言は,全く事実無根のものであります。

  2. 同記事は,「美智子さまは,折に触れて愛子様の日常生活について耳にされ,胸を痛めておられているという。最近では,千代田の関係者に胸の内をたびたび漏らされた。」とし,皇后陛下の御発言として幾つかの文章を記しています。 皇后陛下は,従来より愛子内親王殿下のことを大切に,また可愛く思われ,これまで終始変わらず見守ってこられました。そして,初等科時代以来,時折マスコミに取り上げられる事柄に対しても,ご自分からそのことにつき何かを語ることはしたくないし,友人,知人も心ある人たちは,決してそのようなことを自分との間で話題にすることはないと常々仰せになっています。東宮御一家が御所においでの時は,安心してくつろいでほしいとお思いの両陛下にとり,このような報道がどれ程お悲しく戸惑われるものであるかを理解して頂きたいと思います。

  3. 同記事は,皇后陛下が子供のメンタルヘルスを専門にする医師と交流を持たれているとして,奥山眞紀子氏に言及し,あたかも愛子内親王殿下のことについて皇后陛下は奥山氏と継続的にやり取りをなさっているような印象を与えています。しかしながら,皇后陛下が奥山氏に会われたのは,一度しかありません。平成20年4月,皇后陛下が,当時来日が予定されていた英国子どもコミッショナーであるエインズリー・グリーン氏との御引見に先立ち,日本における子どもの諸問題について御聴取なさるべく,聖路加病院の細谷先生の推挙を受け,奥山氏を御所にお招きになった際のことです。この時は,皇后陛下から,奥山氏が東宮御所に関係のあることで御質問があってはと心配せぬようお心配りがあり,事前に侍従職より奥山氏に対して,皇后陛下は東宮御所関係のことについては一切お触れになるおつもりはない旨連絡してあり,実際に皇后陛下と奥山氏の間でそうしたことは全く話題になりませんでした。この一回を除き,皇后陛下が奥山氏にコンタクトをとられたことはありません。

  4. また,当該記事の中では,約十年前,奥山眞紀子氏が愛子内親王殿下との関係で東宮に参内していたとありますが,このような事実はありません。奥山氏は,記事にあるように金澤元皇室医務主管から紹介された方ではなく,皇太子妃殿下が平成14年6月に国立成育医療センターの開設記念国際シンポジウムに御出席になられるのに当たり,御進講をお受けになられ,その後,折々に色々なお話をお聞きになっておられたという御関係であり,内親王殿下についての御相談ということは全く事実ではないこと,また,この他にも,奥山氏との関係においても,実際には存在しない発言をあたかも存在するかのように記述するなど,全く事実ではない内容に基づき記事が構成されており,問題があることを東宮職として付言します。

  5. このように,事実無根の内容を宮内庁関係者があたかも発言したかのように記事を構成し,見出しに掲げることは極めて遺憾であり,「週刊文春」編集部には,抗議するとともに記事の訂正を求めました。「週刊文春」は,これまでも愛子内親王殿下のご成長にとり大切な静かな環境の確保を妨げる取材活動を行い,あり得ない事実に基づく記事を掲載して読者に誤解を与えるなど,その対応は極めて遺憾であり,同編集部にその旨を伝えてきましたが,改めて良識ある対応を強く求めました。このような心ない報道が続けられていることに皇太子同妃両殿下も心を痛めておられます。