御成婚50年・御即位20年記念特別展「両陛下-想い出と絆の品々」

御成婚50年・御即位20年記念特別展「両陛下-想い出と絆の品々」(第1期~第3期)

1. 展覧会期間等
   平成21年7月11日(土)~12月13日(日)
      第1期:平成21年7月11日(土)~8月23日(日)
         「御成婚―ゆかりの品々」
      第2期:平成21年8月29日(土)~10月18日(日)
         「御即位,大嘗祭―ゆかりの品々」
      第3期:平成21年10月24日(土)~12月13日(日)
         「御日常にゆかりの品々」

  • 休館日:
        毎週月・金曜日,及び展示替の期間
        但し,月曜日が祝日の場合は開館し,翌火曜日を休館します。
        また,9月21日(月・祝)~24日(木)は開館します。
  • 開館時間:
        7・8月:午前9時~午後4時45分(入館は午後4時30分まで)
        9・10月:午前9時~午後4時15分(入館は午後4時まで)
        11・12月:午前9時~午後3時45分(入館は午後3時30分まで)
2. 概要

この春,天皇皇后両陛下は,御成婚50年の記念すべき日を迎えられました。さらに今年は天皇陛下御即位20年のお祝いの年にも当たります。この二重のお慶びに際し,当館では,常に国や人々に心を寄せて歩まれてきた両陛下の御様子を,テーマごとに5期にわたって御紹介します。最初の3期は,御成婚,御即位,そして御日常をテーマとして,それぞれに(ゆかり)の品々を御紹介いたします。

昭和34年4月10日,国中が歓喜に溢れた御成婚は,今も多くの人々の記憶に残る御慶事でした。御成婚をテーマとする第1期では,当時お召しになった御装束をはじめ,各国からのお祝いの御贈進品や御成婚に縁の品々が,あの御慶事を彷彿(ほうふつ)とさせることと思います。

また,平成2年には,両陛下は伝統的な御装束に身を包まれ,御即位の諸儀式に臨まれました。わが国の長い歴史の中で整えられてきたこの時の諸儀式の様子に,私たちは改めて日本文化の深遠さを感じました。第2期では,この御即位の儀式に縁の品々が登場します。

そして,第3期には,両陛下の御日常を御紹介するために,日ごろの御活動に関する品々が選ばれています。

今回の展覧会の企画に当たっては,両陛下に深い御理解をいただき,貴重な品の数々を御紹介できることとなりました。日ごろから人々とのふれあいを大切にされている両陛下のお姿に触れていただければと思います。

3. 各期の展示内容
【第1期 御成婚―ゆかりの品々】

両陛下は,昭和34年4月10日に御結婚になりました。当時,皇太子でいらっしゃった明仁親王殿下は,テニスを通じてお知り合いになった正田美智子様をお妃にと望まれ,昭和33年11月27日の皇室会議で承認を得られました。昭和34年1月14日の「納采の儀」によって正式な御婚約となり,御結婚の運びとなりました。

御結婚の当日は,暖かな日差しに恵まれ,国中が祝福しました。お二人は日本の伝統的装束(皇太子殿下の御装束は黄丹御袍,妃殿下は御五衣に御唐衣,御裳<いわゆる十二単>)を召されて,宮中の賢所での「結婚の儀」に臨まれました。次いで,昭和天皇,香淳皇后に正式にお会いになる「朝見の儀」が行われて結婚の御報告をされた後,皇居から東宮仮御所までを馬車でパレードされました。その沿道には53万人もの人々が祝福につめかけたと言われます。両陛下の御成婚は,戦後の復興時期を経て,ようやく日本が新たな成長を始めた時期のわが国にとって,大きな明るい話題となりました。

この第1期では,宮中の賢所での儀式に臨まれた折の御装束をはじめ,国内外からのお祝いの品,お二人の思い出の品を紹介します。

<主な展示品>

  • ◊ 御結婚時にお召しになった御装束(黄丹御袍,御唐衣・御五衣・御裳)
  • ◊ 御成婚記念・御成婚25年記念・御成婚50年記念のボンボニエール
  • ◊ 国内外からのお祝いの品々
          フランス国,デンマーク国,オランダ国,米国等の元首からの御贈進品
          衆議院議員代表,参議院議員代表からの絵画
  • ◊ 記念のお品
          香淳皇后御絵「白樺と浅間山   春」「白樺と浅間山   秋」
  • ◊ 天皇陛下,ご成長の思い出
          御誕生の折の犬張子形ボンボニエール,御台人形,御着袴の折の御服
  • ◊ 皇后陛下,御結婚の思い出
          小磯良平「御成婚間近の美智子様」(朝日新聞社蔵),テニス優勝カップ,
          お鏡前で御使用の手鏡・ブラシ等のセット
【第2期   御即位,大嘗祭-ゆかりの品々】

天皇陛下は,昭和64年1月7日に崩御された昭和天皇の後を継がれ,第125代天皇となられました。

即位に関する皇位継承の諸儀式は,伝統に基づき,昭和天皇の喪が明けた,その翌年の平成2年に執り行われました。その中の最も重要な儀式が11月12日に行われた「即位礼」であり,また同22日夜から23日未明にかけて行われた「大嘗祭」です。「即位礼」は,天皇が皇位に就かれたことを国の内外に宣言されるものです。また「大嘗祭」は,古代から続く即位に関わる厳粛な祭祀です。天皇陛下は,毎年,その年の稲の初穂を皇祖神に供えて国の繁栄と安泰を祈る新嘗祭を行われますが,「大嘗祭」は天皇一代に一度限りの大祭です。言い換えれば,「大嘗祭」は,即位後,初めて行われる新嘗祭のことです。さらにこの「大嘗祭」の終了後,11月24日~25日には,宮殿豊明殿において,天皇陛下が大嘗祭の参列者をお招きになり,悠紀主基両地方の斎田の新穀をもって調整した白酒及び黒酒と酒肴を賜り,共にお召し上がりになる「大饗の儀」が行われました。

この第2期では,これら「即位礼」と「大嘗祭」等の様子を関連の品々と写真を交えて紹介します。

<主な展示作品>

  • ◊ 「即位礼」「大嘗祭」「大饗の儀」の品々から
  •       「即位礼」のパレードでお召しになった両陛下の御洋装
  •       「大嘗祭」でお召しになった両陛下の帛御装束
  •        「大饗の儀」御台盤・洲浜・挿華,大嘗宮の模型,御即位記念ボンボニエール
  • ◊ お祝いの品々
  •       守屋多々志「平成御大礼絵巻」(神社本庁蔵)
  •       衆議院,参議院等の国内からのお祝いの品々
【第3期   御日常にゆかりの品々】

両陛下は,御結婚以来,これまでの皇室の伝統を受け継ぎ,国民の様々な立場に思いを寄せて,その務めにはげまれ,ご家庭にあられては,御研究や御趣味を通して,心豊かな時間を過ごしてこられました。

この第3期では,そうした両陛下の御日常にゆかりの品々を紹介します。お忙しい日々の中,両陛下が様々なことにお心を尽くしていらっしゃる御様子を感じていただければ幸いです。

<主な展示作品>

  • ◊ 宮中祭祀の品々
          天皇陛下節折(よおり)の御装束(御小直衣,御袴,御金巾子冠,御挿鞋)
          皇后陛下のお途中着(御袿,御切袴,御中啓)
          両陛下御手水具
  • ◊ 新年を祝う
          「晴御膳」等の新年の御膳に関連する品,漆器類
  • ◊ 季節のお飾りもの
          七夕飾りの「五色の生糸・絹布」,牙彫「あやめ」
  • ◊ 和歌の伝統
          平成21年御題「生」の御製,及び御歌
          皇后陛下が新たに加えられた襲色目(かさねいろめ)御懐紙
  • ◊ 天皇陛下の御研究
          御論文,御直筆のハゼの図
  • ◊ 天皇陛下のお稲作
          お手播き用丸籠,お手植えお手刈り用角籠,御料鎌,粟刈り用穂刈鎌
  • ◊ 皇后陛下のご養蚕
          藁蔟,御養蚕所飼育の繭,白繭と山繭のブローチ,正倉院染織宝物の復元品
  • ◊ 皇后陛下のハープ
          皇后陛下御使用のハープと譜面台
  • ◊ お縁の品々
          天皇陛下から皇后陛下に古稀のお祝いとしてお贈りになった「糸箪笥」
          皇后陛下から天皇陛下にお贈りになった「カフリンクス」「書鎮」
          両陛下が御使用になったテニスラケット