皇居東御苑花だより(令和3年1月8日)

令和3年1月8日
写真 説明
ロウバイ(ロウバイ科)
ロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox
中国原産です。江戸時代に渡来し,観賞用によく植えられています。よく分枝して高さ2~5mになります。1~2月,葉が出る前に香りのよい黄色の花を下向きまたは横向きに開きます。
ソシンロウバイ(ロウバイ科)
○ソシンロウバイ(ロウバイ科)Chimonanthus praecox‘Concolor’
中国原産で,ロウバイよりも花がやや大きく,内側の花被片も黄色になっています。庭木や鉢植え,花材としてよく使われます。
○スイセン(ヒガンバナ科)
○スイセン(ヒガンバナ科)Narcissus tazetta var. chinensis
暖地の海岸近くに生えていますが,もともと自生していたものではなく,植えられたものといわれています。20~30cmの花茎を線形で平たい葉の間から出し,芳香のある白花を数個つけます。和名は水仙で漢名の音読みからきています。
ウメ(玉牡丹)(バラ科)
○ウメ(玉牡丹)(バラ科)Prunus mume‘Tamabotan’
大輪で1月中旬から3月中旬頃開花します。内側の弁は小さく,平たく見えます。
ウメ(新冬至)(バラ科)
○ウメ(新冬至)(バラ科)Prunus mume‘Shin-toji’
1月上旬から2月中旬にかけて花をつけます。花の色は白く,大きさは2.5~3cmになります。花期が長く,盆栽,庭木いずれにも適しています。
ウメ(八重寒紅)(バラ科)
○ウメ(八重寒紅)(バラ科)Prunus mume‘Yae-kanko’
野梅の一種です。花は紅色の八重咲きで,花弁の先は丸くなっています。花つきがよく,庭木や盆栽に向くとされています。
ウメ(紅冬至)(バラ科
○ウメ(紅冬至)(バラ科)Prunus mume‘Kotoji’
「紅冬至」は野梅の一種で,冬至の頃に咲くことから名付けられた早咲きのウメです。花は12月~2月中旬頃まで,葉に先立って咲きます。
カンザクラ(バラ科)
○カンザクラ(バラ科)Cerasus ×kanzakura‘Praecox’
カンヒザクラの雑種といわれています。樹皮は黒褐色で横に割れ,こぶができます。つぼみは紅色で,葉の出る前か同時に開花します。花は直径2.5~3.5cmあり,淡紅色でふちがやや濃く花弁は5枚で蜜が多いです。
ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)
○ミヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)Lonicera gracilipes var. glandulosa
ヤマウグイスカグラの変種で,枝や葉,花冠などに毛が密生します。山野に生え,よく分枝して高さ1.5~2mになります。本年枝の葉腋に淡紅色の花を1~2個下垂します。液果は直径約1cmの楕円形で,6~7月に赤く熟し,表面や果柄に腺毛が密生します。
カンアオイ(ウマノスズクサ科)
○カンアオイ(ウマノスズクサ科)Asarum kooyanum var. nipponicum
山地の林下に生える多年草です。茎は地をはい,暗紫色で節が多く葉は長い柄があります。花期は10~2月です。花は葉柄の基部に1個,地に埋もれるようにつきます。冬も枯れないことから寒葵の名があります。
キンカン(実)(ミカン科)
○キンカン(実)(ミカン科)Fortunella japonica
日本には江戸時代以前に渡来しました。高さ1~2mになります。刺はあっても短く,葉は互生します。初夏から秋に2~3回白い花が咲きます。花弁は5枚で,果実は直径2~3cmの球形で橙黄色に熟します。果肉は酸っぱいですが,果皮に甘味と香気があり,食べられます。
タラヨウ(実)(モチノキ科)
○タラヨウ(実)(モチノキ科)Ilex latifolia
別名モンツキシバといい,暖地の山地に生え,庭や寺院などにもよく植えられています。高さ20mほどになります。果実は直径6~8mmの球形で,多数集まってつき,赤く熟します。雌雄異株です。
ヤブツバキ(ツバキ科)
○ヤブツバキ(ツバキ科)Camellia japonica var.japonica
沿岸部に多いですが山地にも生え,大きいものは高さ10~15mになります。樹皮は灰色で灰白色の不規則な模様があり,なめらかです。枝先に赤色の花が1個ずつ咲きます。実は直径4~5cmの球形で果皮が厚く,熟すと3裂して暗褐色の種子を2~3個出します。種子から椿油をとります。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」,山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁