皇居東御苑花だより(令和2年11月13日)

令和2年11月13日
写真 説明
キチジョウソウ(キジカクシ科)
○キチジョウソウ(キジカクシ科)Reineckea carnea
暖地(関東地方以西)の山野でやや湿り気のある日陰に群生する多年草で,よく栽培されています。葉は線形で長さ10~30cm,幅は約1.2cm,根元から束になって出ます。晩秋,葉の間から高さ8~13cmの短い花茎を出し,淡紅色の花を穂状につけます。この花が咲くと吉事があるといういい伝えから「吉祥(きちじょう)草」の名があります。
ツリバナ(実)(ニシキギ科)
○ツリバナ(実)(ニシキギ科)Euonymus oxyphyllus
山地に生え,高さ4mになりますがまれに6mくらいになるものもあります。5~6月,葉腋から6~15cmの柄をだし,直径6~7mmで淡緑色またはやや淡紫色を帯びた花を開きます。蒴果は球形で熟して5裂すると,朱赤色の仮種皮に包まれた種子が現れます。
ナンテン(実)(メギ科)
○ナンテン(実)(メギ科)Nandina domestica
暖地の山地に野生もありますが,庭木としてよく植えられています。茎は叢生し,高さ約2mになります。5~6月,大型の円錐花序をだし,白い花を多数つけます。果実は球形で11~12月に赤く熟し,せき止めの薬として利用されます。
ヤツデ(ウコギ科)
○ヤツデ(ウコギ科)Fatsia japonica
暖地の沿海地に自生し,高さ3~5mになります。葉は長さ,幅とも20~40cmで掌状に7~9裂し,烈片のふちには鋸歯があります。10月~11月,茎の先に直径2~3cmの散形花序を円錐状に多数つけます。
○ヤブラン(実)(キジカクシ科)
○ヤブラン(実)(キジカクシ科)Liriope muscari
山地の木陰に生える多年草です。根茎は太く短いです。葉は線形で長さ30~50cm,深緑色で光沢があります。8~10月,高さ30~50cmの花茎に,淡紫色の小さな花を多数つけます。果実は種子が露出し,直径6~7mmで紫黒色に熟します。和名はやぶに生え,ランの葉に似ていることによります。
タチバナ(実)(ミカン科)
○タチバナ(実)(ミカン科)Citrus tachibana
暖地の沿岸地にまれに自生する日本特産種で,高さ2~4mになります。6月頃,枝先に白い花をつけます。果実は2.5~3cmの扁珠形,果皮は黄色で薄いです。
ノイバラ(実)(バラ科)
○ノイバラ(実)(バラ科)Rosa multiflora var. multiflora
山野に普通に生え,高さ2mぐらいになります。枝に鋭い刺が多く,5~6月に枝先に芳香のある白い花が多数咲きます。香りがよいので香水の原料にも使われます。
マユミ(実)(ニシキギ科)
○マユミ(実)(ニシキギ科)Euonymus sieboldianus
山野に生え,高さは普通3~5mで大きいものは15mに達します。樹皮は灰白色で老木になると縦に少し裂けます。5~6月,淡緑色の花をまばらに開きます。蒴果は長さ8~10mmの四角形で淡紅色に熟し4つに裂けます。
ニシキギ(実)(ニシキギ科)
○ニシキギ(実)(ニシキギ科)Euonymus alatus f. alatus
山野に普通に生え,秋の紅葉が美しいので庭木としてもよく植えられています。和名の錦木も紅葉の美しさを錦にたとえたものです。高さ2~3m,大きいものは5mにもなるものもあり,枝にコルク質の翼が発達するのが特徴です。
ムラサキシキブ(実)(シソ科)
○ムラサキシキブ(実)(シソ科)Callicarpa japonica vat.japonica
山野に生え,高さ2~3mになります。6~7月,淡紫色の花を多数つけます。果実は直径3~4mmの球形できれいな紫色に熟し,秋も深まり葉が落ちた後も残ります。幹はまっすぐで強いので,道具の柄や杖などに用いられ,昔から親しまれてきました。
ツワブキ(キク科)
○ツワブキ(キク科)Farfugium japonicum
海岸や海辺の山などに生える30~70cmの常緑の多年草です。花や葉が美しいのでよく庭に植えられ,園芸種も多数あります。10~12月,直径5cmほどの黄色の頭花を散房状につけます。葉はフキに似て厚く,表面に艶があるのでこの名があります。綿毛をかぶった若い葉柄をつくだ煮にしますが,これが本当のキャラブキです。また,葉はあぶって,はれものなどに貼ったりします。
○サラシナショウマ(キンポウゲ科)
○サラシナショウマ(キンポウゲ科)Cimicifuga samplex
落葉樹林内や草原などに生える多年草です。茎は40~150cmになります。8~10月,茎の先に房状花序をだし,柄のある白い小さな花を密につけます。和名は「晒菜升麻」です。「晒菜(さらしな)」は,若菜をゆでて水にさらして食べることによります。
リュウノウギク(キク科)
○リュウノウギク(キク科)Chrysanthemum makinoi
日当たりのよい山地に生える高さ30~90cmの多年草です。10~11月,白色のちに淡紅色となる花をつけます。和名は竜脳(りゅうのう)に似た香りの油が含まれていることに由来しています。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」,山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁