皇居東御苑花だより(令和2年9月18日)

令和2年9月18日
写真 説明
ガマズミ(実)(レンプクソウ科)
〇ガマズミ(実)(レンプクソウ科)Viburnum dilatatum
各地の山野に普通に生え,高さ2~4mになります。昔から人々の生活と結びつきが深く,地方名も多くあります。5~6月に,枝の先端から小さな白い花を多数開きます。9~10月に実が赤く熟し,霜が降りる頃になると,白い粉をふいて甘くなり,食べられます。
ジュウガツザクラ(バラ科)
〇ジュウガツザクラ(バラ科)Cerasus ×subhirtella‘Autumnalis’
4月上旬と10~12月の2回花が咲きます。花は白色のものが多く,淡紅色,濃紅色などもあります。冬に咲く花は小形で,春に咲く花はやや大形なものになります。果実はまれにつきます。
ノシラン(キジカクシ科)
○ノシラン(キジカクシ科)Ophiopogon jaburan
海岸近くの林の中に生える多年草です。葉は線形で長さ30~80cm,幅7~15mm,深緑色で厚く光沢があり,ふちがざらつきます。花茎は高さ30~50cmあって,7~9月,白色または淡紫色の花を密につけます。
カリガネソウ(シソ科)
○カリガネソウ(シソ科)Caryoptens divaricata
山地に生える高さ1mほどの多年草です。全体に強い臭気あり,葉は対生し柄があり広卵形でふちには鈍い鋸歯があります。青紫色の花をまばらにつけます。花期は8月~9月です。
○ツリガネニンジン(キキョウ科)
○ツリガネニンジン(キキョウ科)Adenophora triphylla var. japonica
サイヨウシャジンの変種で日本全土に普通に生える多年草です。根は肥厚して白く,薬用となります。茎は30~100cmになり,全体に毛があります。夏から秋にかけ枝先に円錐花序をつくり,鐘形で先が5裂した青紫色の花が下向きに咲きます。
マヤラン(ラン科)
○マヤラン(ラン科)Cymbidium macrorhizon
常緑広葉樹林下に生える腐生植物です。高さ10~30cmで,7~8月にかけて白色で紅紫色を帯びた1.5cmほどの花をつけます。和名は,最初の発見地,神戸市麻耶山にちなみます。
ヤマホトトギス(ユリ科)
○ヤマホトトギス(ユリ科)Tricyrtis macropoda
山野の林内に生える高さ40~70cmの多年草です。茎には下向きの毛が生え,花被片の上半部がそり返るのが特徴です。花は,7~9月にかけて咲きます。
ウメモドキ(実)(モチノキ科)
○ウメモドキ(実)(モチノキ科)Ilex serrata
山中や湿地に生え6月頃,淡紫色の花が咲きます。果実は直径約5mmの球形で赤く熟し,小鳥が好んで食べます。晩秋から初冬にかけて葉が落ちた後,赤い実が枝いっぱいに残って美しいことから,庭木としてもよく植えられます。
ススキ(イネ科)
○ススキ(イネ科)Miscanthus sinensis
別名をカヤともいいます。平地や山地の日当たりの良い場所に普通に見られる大形の多年草です。大きな株をつくって群生します。高さ1~2m,花穂は長さ20~30cmで2個ずつ対となった小穂を密につけ,白色又は黄褐色,ときには紫色を帯びます。秋の七草のひとつで,古名の尾花は花穂の姿によります。
クズ(マメ科)
○クズ(マメ科)Pueraria lobata
山野のいたるところに見られる大形のつる性草本で,茎の基部は木質です。他の木や草にからみ,たちまちのうちにこんもりとしたやぶをつくります。根は太く大きく,多量のでんぷんを含んでおり,葛粉(くずこ)がとれ,食用にするほか,薬用にも使われます。7~9月,紅紫色の花が咲きます。秋の七草の一つです。
センニンソウ(キンポウゲ科)
○センニンソウ(キンポウゲ科)Clematis terniflora
日本全土の野原などに生育する木質のつる性植物です。8~9月,葉のわきに直径2~3cmの白色の花を多数つけます。有毒植物です。
コムラサキ(実)(シソ科)
○コムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma
別名をシキブともいいます。山麓や原野の湿地にまれに生え,高さ1~1.5mになります。枝は紫褐色で細く6~7月,長さ約4mmの淡紫色の花を多数つけます。果実は直径約3mmの球形で,きれいな紫色に熟します。
シロミノコムラサキ(実)(シソ科)
○シロミノコムラサキ(実)(シソ科)Callicarpa dichotoma f. albifructa
別名はシロシキブ,またはシロタマコシキブとも呼ばれます。紫色の実をつけるコムラサキの変種で,高さ1~2mになります。枝は細くてしだれ,6~7月に約4mmの白色の花を多数つけます。果実は直径約3mmの球形で,真っ白に熟します。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」,山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁