「大礼―慶祝のかたち」
会期:令和元年9月21日(土)~令和2年1月19日(日)
第1期:9月21日(土)~10月27日(日)
第2期:11月2日(土)~12月8日(日)
第3期:12月14日(土)~1月19日(日)
ただし,9月23日(月・祝),10月14日(月・祝),
11月4日(月・振替休日)1月13日(月・祝)は開館し,
その翌日の火曜日は休館します。
(10月28日から11月1日,12月9日から12月13日)
※行事等の関係で,臨時休館になることもありますので,ご注意願います。
今年の5月,令和の御代が幕を開けました。御即位に関する一連の儀式はまとめて,
大正4年(1915)と昭和3年(1928)に行われた大礼に際しては,儀式の調度が新たに製作され,また御即位をお祝いするため各方面から献上品が寄せられるなど,大礼ゆかりの様々な美術品が皇室に伝えられました。本展では,当館が所蔵するこれらの慶祝の意のもとに製作された品々の中から,その当時の美術の特質や時代の様子を伝える作品,そして御即位にちなんで鳳凰や菊,桐をはじめとする吉祥のモチーフが表された作品を紹介します。
大正度の大礼は,近代に入って制度として整えられた後,国家的行事として行われた初めての大礼で,その内容は,以後の大礼の基本となりました。全国各地で奉祝行事が催され,多くのお祝いの品が寄せられました。そして,昭和度の大礼は,大正度の内容を引き継ぐ形で行われましたが,関東大震災から五年を経て,復興の時期とも重なりました。帝都復興の様子は,献上の屏風にも描かれ,新たな時代への大きな期待に満ちています。また,外国との交際が一層深まったことを反映して,各国から贈進品がもたらされたことは,この時の大きな特色です。さらに,皇室においても,文化の奨励のために,皇族の方々が交わされた大礼記念の美術品の製作を各作家に依頼されたことも注目されます。皇室の御慶事に関連した美術品を概観するとき,この昭和度大礼は,華やかさの頂点として位置づけられます。
本展を通じて,大礼を慶祝する伝統的な美のかたちに親しんでいただくとともに,御即位を寿ぐ機会となれば幸いです。
9 松岡映丘 《富嶽茶園》
昭和3年(1928)
静岡県茶業組合連合会議所より献上
<第1期>
27 平福百穂 《玉柏》
昭和3年(1928)
香淳皇后より昭和天皇へ御贈進
<第3期>
11 河井寬次郎 《紫紅双耳壺》
昭和3年(1928)
昭和天皇より香淳皇后へ御贈進
<第1期>
19 満洲大連窯業工場 《菊桐鳳凰文ガラス花瓶》
昭和3年(1928)
南満洲鉄道株式会社より献上
<第2期>
20 御木本幸吉 《瑞鳳扇》
昭和3年(1928)
三重県より献上
<第2期>
29 大島如雲 《菊折枝置物》
昭和3年(1928)
昭和天皇より香淳皇后へ御贈進
<第3期>
14 ロイヤル・コペンハーゲン磁器製作所,(絵付)クリスチャン・ベンジャミン・オールセン 《デンマーク汽船図花瓶》
1928年
デンマーク国王クリスチャン10世より御贈進
<第1期>