皇居東御苑花だより

令和6年4月12日
写真 説明
サトザクラ(鬱金)
○サトザクラ(鬱金)(バラ科)Cerasus serrulata ‘Grandiflora’
オオシマザクラ系サトザクラの一種です。名はウコン色に由来し、欧米でも人気があります。4月中下旬、直径約4cm、淡い黄緑色、八重の花がやや垂れ下がって咲きます。
サトザクラ(御衣黄)
○サトザクラ(御衣黄)(バラ科)Cerasus serrulata ‘Gioiko’
オオシマザクラ系サトザクラの一種です。4月中下旬、咲きはじめた黄緑色の花は黄色に変化し、やがて紅色の筋が現れます。昔、天皇が身につけられた衣の色(萌黄色)に因み、‟ギョイコウ”と名付けられました。
サトザクラ(関山)
○サトザクラ(関山)(バラ科)Cerasus serrulata ‘Sekiyama’
オオシマザクラ系サトザクラの一種です。世界各国で愛好されているサトザクラの代表的品種の一つで、カンザンとも、セキヤマとも呼ばれます。4月中下旬、直径約5cm、濃紅紫色、八重の花が垂れ下がって咲きます。
サトザクラ(普賢象)
○サトザクラ(普賢象)(バラ科)Cerasus serrulata ‘Albo-rosea’
オオシマザクラ系サトザクラの一種で、室町時代から知られています。直径約5cm、八重の花は、4月中下旬に咲き始め、淡紅色からほぼ白色に変化します。葉化した雄しべを普賢菩薩が乗っていた白象の鼻に見立て、‟フゲンゾウ”と名付けられました。
シロヤマブキ
○シロヤマブキ(バラ科)Rhodotypos scandens
山地に稀に自生し、高さ約2cmになり、よく庭や公園に植えられています。枝先に直径1~1.5cm、白色の花を1輪咲かせます。
ニワトコ(実)
○ニワトコ(実)(スイカズラ科)Sambucus racemosa subsp. sieboldiana
山野に普通に生え、高さ3~6mになり、庭などに植えられます。よく分枝する独特の樹形で芽出しが早く、早春の野山で目を引きます。3~5月、枝先に淡黄白色の花を多数集めて咲かせます。梅雨の頃、鮮やかな赤い実が枝先を飾ります。
オトコヨウゾメ
○オトコヨウゾメ(ガマズミ科)Viburnum phlebotrichum
山野の日当たりの良い場所に生え、高さ2m程になります。4~6月、淡紅色を帯びた白い花が5~10個、枝先から垂れて咲きます。9~10月、長さ5~8mm、光沢のある果実が赤く熟します。
モクレン
○モクレン(モクレン科)Magnolia liliiflora
よく分枝して高さ3~5mになります。4~5月、葉の出る前、枝先、暗紫紅色の花を上向きに半開します。
ヒカゲツツジ
○ヒカゲツツジ(ツツジ科)Rhododendron keiskei
山地の崖地や水辺などに生え、高さ1~2mになります。枝先に葉を輪生させ、4~5月、その中央に直径約3cm、淡黄色の花を数輪咲かせます。
クルメツツジ
○クルメツツジ(ツツジ科)Rhododendron Kurume Group
別名はキリシマといいます。古くから各地の庭園などにも植えられ、霧島山ではクルメツツジに極めて近いものがあります。4~5月、枝先に赤色の花を2~3輪咲かせます。葉は互生し、小型で厚いです。
ニリンソウ
○ニリンソウ(キンポウゲ科)Anemone flaccida var. flaccida
山麓の林や竹林、土手などに生える多年草で、しばしば群落をつくります。4~5月、茎葉の間から普通2本の花柄を出し、直径1.5 ~2cmの白い花を二輪咲かせます。名前の由来の花の数が1個又は3個のものもあります。
○ニワザクラ
○ニワザクラ(バラ科)Prunus glandulosa
高さは1.5mほどで株立ち状になり、庭などによく植えられています。4月頃、葉と同時かまたは早く、直径1.3~1.5cmの花が枝に多数咲きます。花は白色または淡紅色で八重咲きです。
ヤマブキ
○ヤマブキ(バラ科)Kerria japonica
山地の谷川沿いなど、湿った所に普通に生えるほか、庭などに広く植えられています。4~5月、鮮やかな黄色の花を咲かせ、このような色が山吹色といわれるほど親しまれています。

参考図書:山渓カラー図鑑「日本の樹木」、山渓カラー図鑑「日本の野草」(山と渓谷社)

日本の野生植物(平凡社)

写真:宮内庁