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明治期以降,皇室の御慶事に際しては,各方面からお祝いの品としてめでた尽くしの掛軸や置物など,美術品の数々が献上され,現在,その一部が当館に引き継がれています。本展では,これらの品々に示された伝統的な吉祥の主題が,新しい時代の感覚によってどのように表現されたか,その造形美に注目して紹介します。 その中でも鶴と亀,松の取り合わせは,蓬莱模様,蓬莱図などと呼ばれ,祝儀の品には欠かせない主題です。これは,もとは古代中国の神仙思想において,不老長寿がかなう場所である蓬莱山を描いた図様から発展してきたものです。伝統的な蓬莱山図を,近代の画家たちがどのように解釈して描いたか,横山大観をはじめとする画家たちの試みをみていきます。 また,近代ならではの表現として, このほか,神の使いとされた鹿や鳩,烏などの動物が表された品々,長寿の象徴である寿老人や霊芝の置物,高砂図を紹介します。 これらの品々に込められた健康と長寿,夫婦愛など,さまざまな寿ぎの意味を読み解きながら,その造形をお楽しみ下さい。 展覧会図録(PDF形式:45.3MB) |