展覧会概要

天皇陛下傘寿記念特別展
天皇陛下 昭和28年欧米14か国の旅~新たな感動と出会い~
平成26年10月18日~12月23日

画像 説明
「天皇陛下 昭和28年欧米14か国の旅~新たな感動と出会い~」

天皇陛下は,昭和28年6月に行われた英国エリザベス2世女王陛下の戴冠式に,昭和天皇のご名代として参列され,その機会に欧米各国をご訪問になりました。陛下は,前年の11月10日に18歳で成年式,立太子の礼をあげられました。そして,このご旅行は,ご出発当時19歳の陛下にとって初めての海外ご訪問であり,ご名代の大任を果たされる一方で,諸外国の事情について見聞を広められる大きな機会となりました。

3月30日に日本を出発され,米国を経由してカナダを最初の訪問国とするご旅行は,英国に一月余りご滞在になった後,フランスなどの西欧諸国を巡られて再び米国に戻られるまでの14か国に及び,ご帰国は10月12日となりました。前年に平和条約が発効してようやく独立国として歩み始めたとはいえ,大戦の傷跡はいまだ深く,我が国に対する諸外国の国民感情には厳しいものがありましたが,このご旅行によって,各国との関係改善に尽くされ,友好が促進されました。また,陛下が,若き日に日本とは異なる生活,文化,自然に触れられたことは,国際情勢に関するご見識を高められるとともに,国や社会の在り方についてのお考えを深められる上で貴重なご経験となりました。

今回の展覧会は,天皇陛下傘寿の節目に当たり,80年のご足跡の中でも大きな意義を持つこのご旅行をご日程に沿って振り返ります。当時のご訪問を巡る諸外国の状況にも触れつつ,今日まで続く陛下と王室を始めとする人々との出会い,見聞を広められた様々なご訪問,陛下がお目を留められた欧米の日常と自然を,当時の報道や写真,記念の品々,陛下が時々に発表されたお気持ちやお撮りになったお写真等で紹介します。

このご旅行が,陛下ご自身にとっての貴重なご体験であったばかりでなく,今日の我が国の国際親善にいかに寄与するものであったかをご理解いただければ幸いです。