展覧会概要

第46回
富士―山を写し,山に想う―
平成20年3月22日~6月29日

画像 説明
富士―山を写し,山に想う

富士は,古くから霊峰として信仰の対象とされた山であり,今も日本を代表する名山です。また,和歌に詠まれ,名所絵の画題となるなど,文学や美術と深く関わってきた山としても知られています。その富士は,明治以降,日本の象徴としての意味合いを次第に深め,また皇室にふさわしい景物としてとらえられるようになりました。こうした様子は,御下命や献上を目的に制作された近代の作品に,この富士を主題としたものが数多く見られることにも表れています。

近代における富士図は,明治の半ばまでは実景に即した写実的表現を重視する意識が強くうかがえます。しかし,国のシンボルとしての存在感を次第に増し,あらためて聖山としての性格が付与された富士は,徐々に理想化され美しい姿に描かれるようになっていきました。

本展では,日本画,洋画,写真などの様々な作品から,近代における富士図の表現の特色を浮き彫りにしていくと同時に,横山大観を中心とした作家らの作品を通して,それぞれが富士に託した理想的な美や皇室への尊崇の念を考察していきます。

明治,大正,昭和と時代の移り変わりとともに表現の変遷を重ねながらも,日本人の心の拠り所であり続けた富士。その魅力に,あらためて接していただければ幸いです。


  • 「展覧会図録」をクリックすると、当該回の展覧会図録(PDFファイル)を閲覧できます。
  • 三の丸尚蔵館の展覧会図録(PDFファイル)中、作品名や作者、制作年などの表記は図録発行当時のものです。
  • 三の丸尚蔵館の展覧会図録(PDFファイル)では、著作権の保護期間に該当する当館収蔵品の図版、宮内庁他部局の図版、他機関収蔵品の図版が表示されません。
  • 三の丸尚蔵館の展覧会図録の著作権はすべて宮内庁に属し、本ファイルを改変、再配布するなどの行為は有償・無償を問わずできません。 
  • 三の丸尚蔵館の展覧会図録(PDFファイル)に掲載された文章や図版を利用する場合は、書籍と同様に出典を明記してください。また、図版を出版・放送・ウェブサイト・研究資料などに使用する場合は、「三の丸尚蔵館収蔵作品等の写真使用について」のとおり手続きを行ってください。
    なお、図版を営利目的の販売品や広告、また個人的な目的等で使用することはできません。