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皇室の御慶事は,国民の慶びでもあり,様々なかたちでその慶びが表されてきました。美術工芸品の表現もそのひとつで,御慶事に相応しい意匠が選ばれ,華やかで美しい作品が多いことが特色です。 近代以降において,皇室御慶事が多く,その時々に慶祝の意をこめた優れた美術工芸品が制作されて献上されているのが大正時代です。大正時代は,わずか15年の短い間に,大正4年の大礼,同5年の立太子礼,同8年の皇太子(昭和天皇)成年式,同13年の皇太子御結婚,同14年の大正天皇銀婚式のほか,同11年の雍仁親王の成年式と秩父宮創立等の御慶事が相次ぎました。これらの際には,明治期に行われ始めていた様々な奉祝の在り方が次第に整って盛大に行われるようになっており,祝意をこめた様々な美術工芸品の制作が,最も充実した時期でもありました。また,明治期以降,海外との交流を重ねつつあった皇室ですが,大正10年の皇太子御外遊等によって,皇室の存在が各国においても強く意識されるようになり,海外からお祝いの品が増えるのもこの大正期です。 今回の展覧会では,こうした大正期御慶事の際に奉祝のために制作され,献上された美術品の数々を通して,それらの意匠的特徴,これらに関わった人々と時代の特徴等を紹介します。これまでに,あまり注目されてこなかった大正期の美術について,質の高さと面白さを再認識いただければ幸いです。 展覧会図録(PDF形式:96.9MB) |