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横山大観(1868~1958)
本作は、明治宮殿豊明殿で用いるために、御下命を受けて制作された。大観が得意としていた雲中富士の美しい山容が、ここでは適度な装飾性を帯びつつも堅実な描法でとらえられている。それに対して、箱根連山に想を得た右隻の山並みは意外なほど深い奥行きをそなえており、写生的態度をもって量感豊かに描き表されている。その絶妙なコントラストが生みだす空間のひろがりこそが、他の富岳図ではみることのできない、本作の最大の特色といえる。六曲一双 昭和2年(1927) 紙本墨画 各隻209.0×452.4 |