主な式典におけるおことば(平成29年)

天皇陛下のおことば

新年一般参賀
平成29年1月2日(月)(宮殿)

 新年おめでとう。
 皆さんと共にこの日を祝うことを誠に喜ばしく思います。
 本年が人々にとり,おだやかで心豊かに過ごせる年となるよう願っています。
 年頭に当たり,我が国と世界の人々の平安を祈ります。

第193回国会開会式
平成29年1月20日(金)(国会議事堂)

 本日,第193回国会の開会式に臨み,全国民を代表する皆さんと一堂に会することは,私の深く喜びとするところであります。
 国会が,国民生活の安定と向上,世界の平和と繁栄のため,永年にわたり,たゆみない努力を続けていることを,うれしく思います。
 ここに,国会が,当面する内外の諸問題に対処するに当たり,国権の最高機関として,その使命を十分に果たし,国民の信託に応えることを切に希望します。

第8回アジア冬季競技大会(2017/札幌)開会式
平成29年2月19日(日)(札幌ドーム)

(御名代皇太子殿下のご代読)
ここに,札幌市・帯広市において開催される第8回アジア冬季競技大会の開会を宣言します。

国賓 スペイン国王陛下及び王妃陛下のための宮中晩餐
平成29年4月5日(水)(宮殿)

宴を開くに当たり,まずフェリペ六世国王陛下の御即位に対し,改めてお祝い申し上げます。また,この度は,レティシア王妃陛下と共に,国賓として我が国を御訪問くださり,心から歓迎の意を表します。ここに今夕を共に過ごしますことを,誠にうれしく思います。

初めて貴国を訪問いたしましたのは,1953年,まだ当時19歳であった私が,英国エリザベス二世女王陛下の戴冠式に参列した後に,欧州諸国を訪問した時のことであります。当時,国王陛下の父君,(のち)のフアン・カルロス一世国王陛下は,いまだサン・セバスティアンで御勉学中であると伺いました。そして今から半世紀ほど前になる1962年に,御即位前のフアン・カルロス一世国王陛下は,御成婚後間もないソフィア妃殿下と共に我が国を初めて御訪問になり,爾来(じらい),スペイン王室と我が国の皇室との交流は長年にわたり積み重ねられてまいりました。

私どもは,皇太子同妃として2回,そして即位後の1994年には,国賓として貴国を訪問いたしました。いずれの時にも,フアン・カルロス一世国王及びソフィア王妃両陛下を始めとする王室の方々から心のこもったおもてなしを頂き,各地で貴国民の温かい歓迎を受けたことを懐かしく思い起こします。

私が初めて貴国を訪問した時に,我が国は先の大戦の痛手から立ち直っておらず,また貴国は内戦の影響もあって,共に厳しい状況の下に置かれておりました。その後両国は共に復興の歩みを進め,貴国を訪問するたびにその著しい変化を目の当たりにしたことが,感慨深く思い出されます。

今夕,このようにしてお迎えしたフェリペ六世国王陛下には,初めての御訪日として,皇太子殿下のお立場で1990年に私の即位の礼に御参列いただきました。ここに改めて感謝いたします。さらに,1998年には公賓として御訪問になり,その機会に関西や鎌倉にもいらっしゃいました。また,2005年には,当時皇太子妃殿下でいらした王妃陛下とおそろいで我が国を訪問なさり,愛知で開催された国際博覧会も御覧になっております。

今から6年前の東日本大震災に際しては,その年の秋,当時まだ皇太子殿下でいらした国王陛下から,福島第一原子力発電所での対応に尽力した警察,消防,自衛隊の隊員が「フクシマの英雄たち」として「アストゥリアス皇太子賞」を頂きました。このことは,震災により大きな被害を受けた我が国の国民にとり,真に大きな励ましとなりました。その折の陛下のお気持ちに対し,心から感謝の意を表します。

日本とスペインの交流は,1549年のフランシスコ・ザビエルの我が国への渡来に始まっており,我が国にとりスペインは,欧州において最も長い交流の歴史を持つ国の一つであります。1614年には伊達政宗により派遣された支倉常長一行が貴国を訪れ,フェリペ三世国王の拝謁の栄に浴するなどの交流がありました。このスペイン訪問から400年となる2013年から14年にかけて,「日本スペイン交流400周年」を記念して,両国で様々な交流がなされましたことは,記憶に新しいところであります。

我が国の鎖国政策により,その後長きにわたり交流が途絶えますが,1868年に修好通商航海条約を締結して両国の国交が再開され,来年両国は修好150周年の記念すべき年を迎えます。

近年,スペインと日本は,様々な分野での関係を進め,貿易・投資はもとより,学術・文化の交流なども深まってきております。我が国における貴国の絵画,音楽,また文学などへの関心は,古くから今日に至るまで高く,我が国民の貴国への親しい気持ちの基礎をなしております。

一方貴国においては近年,私どもが2度にわたり訪問したサラマンカ大学にある日本・スペイン文化センターが,両国の学術・文化交流で中心的な役割を担ってきております。同大学には,日本研究を含む東アジア研究学士課程が設けられ,30近い日本の大学が交流を進めており,こうした流れの中で,私ども双方の国民が更に深くお互いを理解しつつ協力していくことを,心から願ってやみません。

今,日本列島では「桜前線」が北上しています。桜前線が通り過ぎたところからは,競うように若葉が()え始めます。このような春の喜びに満ちた良い季節に国王王妃両陛下をお迎えできましたことを,大変うれしく思います。両陛下にとり,この度の御訪問が,実り多いものとなり,貴国と我が国の関係が更に一層深まっていくことを心から願っております。

ここに杯を挙げて,国王陛下及び王妃陛下の御健勝と,スペイン国民の幸せを祈ります。

スペイン国王陛下のご答辞

全国戦没者追悼式
平成29年8月15日(火)(日本武道館)

本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来既に72年,国民のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが,苦難に満ちた往時をしのぶとき,感慨は今なお尽きることがありません。

ここに過去を顧み,深い反省とともに,今後,戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い,全国民と共に,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対して,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

第195回国会開会式
平成29年11月8日(水)(国会議事堂)

 本日,第195回国会の開会式に臨み,衆議院議員総選挙による新議員を迎え,全国民を代表する皆さんと一堂に会することは,私の深く喜びとするところであります。
 ここに,国会が,国権の最高機関として,当面する内外の諸問題に対処するに当たり,その使命を十分に果たし,国民の信託に応えることを切に希望します。

国賓 ルクセンブルク大公殿下のための宮中晩餐
平成29年11月27日(月)(宮殿)

この度,ルクセンブルク大公国アンリ大公殿下が,国賓として両国の外交関係樹立90周年という記念すべき年に,アレクサンドラ王女殿下と共に我が国を御訪問になりましたことに対し,心から歓迎の意を表します。ここに今夕を共に過ごしますことを,誠に喜ばしく思います。今般,マリア・テレザ大公妃殿下が御健康上のことから,御同行になれなかったことは,残念でありました。妃殿下の御健康を心よりお祈りいたします。

今から64年前の1953年,当時19才であった私は,英国のエリザベス二世女王陛下の戴冠式に参列いたしましたが,大公殿下の父君,ジャン前大公殿下が,時の皇太子殿下として妃殿下と共に御参列になり,彼の地において初めてお目にかかりました。

その後,ジャン前大公同妃両殿下には,昭和天皇の大喪の礼及び私の即位の礼への御列席を含め,1979年から何回となく我が国を御訪問になり,皇后と共にお目にかかる機会を得てまいりました。また,私が皇后と2度にわたり貴国を訪問した折には,ジャン前大公同妃両殿下に,当時皇太子同妃両殿下でいらっしゃったアンリ大公同妃両殿下を始め,御家族の方々と共に心のこもったおもてなしを頂きました。このように,ルクセンブルク大公家と我が国皇室との間で,親密な交流が長きにわたり続いていることは,私どもの大きな喜びであります。

アンリ大公殿下にはお若い頃より我が国に強い関心をお持ちになり,大学時代には日本に関する研究もなさったと伺っております。1981年に御結婚間もないマリア・テレザ妃殿下と共に初めて我が国を御訪問になって以来,度々訪日され,両国関係の発展に貢献してこられました。今回,こうして大公殿下を国賓としてお迎えできたことを,改めてうれしく思います。

欧州の中央に位置するルクセンブルクは,歴史上の様々な試練を受けながらも,国民の団結によって独立を維持してきました。非武装永世中立国として貴国を位置付けたロンドン条約が締結されてから,本年で150年となります。さらに,第二次世界大戦後の欧州統合の流れの中で,貴国は,常に重要な役割を担ってきており,ユンカー現欧州委員会委員長を始め,欧州のリーダーを輩出してきています。

また,貴国は,従来経済の中心を成してきた鉄鋼業から国際的な金融センターへと,経済構造の転換を遂げ,世界で最も豊かな福祉国家の一つへと発展いたしました。さらに最近では,情報通信技術や物流,宇宙分野などへの産業の多角化が進められており,明日,私たちは大公殿下,王女殿下を筑波宇宙センターに御案内し,御視察いただくこととしております。

貴国と我が国は,1927年,我が国のルクセンブルク駐箚(ちゅうさつ)初代公使安達(みね)一郎(いちろう)が,殿下の祖母君,シャルロット(じょ)大公殿下に信任状を捧呈して外交関係を開設してからの90年にわたり,友好・協力関係を発展させてまいりました。近年は,政治・経済関係とともに,貴国のルクセンブルク大学と,我が国の大学の間での人的交流を始め,学術,文化,観光の面での交流も急速に広がり,両国民の間の相互理解がますます深まっていることを,大変喜ばしく思います。

今,日本は秋の終わりを迎え,紅葉が輝きを放っています。この御訪問が,大公殿下,王女殿下にとり思い出深いものとなり,また,両国の友好・協力関係を,更に進展させるものとなることを願っております。

ここに杯を挙げて,大公殿下の御健勝と,ルクセンブルク国民の幸せを祈ります。

ルクセンブルク大公殿下のご答辞