文仁親王同妃両殿下 コスタリカご訪問を終えられてのご印象

文仁親王同妃両殿下 コスタリカご訪問を終えられてのご印象

(平成23年2月1日)
コスタリカ訪問を終えて

コスタリカと日本が外交関係を樹立してから75周年に当たる本年,コスタリカ政府のお招きにより訪問できましたことを誠にうれしく思います。チンチージャ大統領閣下を始めとする政府関係者には,私たちの訪問に際して種々の手厚いご配慮をいただき,大変有り難く思っております。とくに大統領閣下と様々な事柄についてお話しできましたことは,深く印象に残っております。

我が国において,コスタリカは軍隊をなくして平和の推進に努めている国,多様な動植物相を有する国,そしてエコツーリズムの先進国として知られております。このたびの訪問で,私たちは「日本コスタリカ外交関係樹立75周年」関連の行事に出席するとともに,コスタリカにおける動植物の多様性について知見を深めることができたように思います。生物多様性については,昨年,名古屋において「生物多様性条約第10回締約国会議」が開催されましたが,地球環境問題を考えるうえで,現在そして将来的に大変重要な課題であると考えます。その意味において,世界でもっとも有名な雲霧林のひとつでもあるモンテベルデや生物多様性研究所(INBio)への訪問は,私たちにとって非常に有意義なひとときでした。

また,国立博物館,ナショナル大学民俗館,コスタリカ大学附属ランカスター植物園,国立こども病院,国立技術大学アテナス本部,太平洋海洋公園などいくつもの場所を訪れましたが,それぞれの場所においてコスタリカに対する理解を深めることができたように思います。

さらに,今次訪問においては,在留邦人,JICA専門家,青年海外協力隊,シニアボランティアの方々より,それぞれの立場から,コスタリカでの暮らしや活動などをうかがう機会を得ました。また,盆栽や武道など,日本の文化を理解して普及に努めておられるコスタリカの方々にもお会いいたしました。このような方々を始めとする多くの人々のご尽力によって,現在の良好な関係が築かれていることを強く感じました。

コスタリカと日本の外交関係樹立75周年の節目の年に当たり,両国の相互理解がさらに深まるとともに,友好親善関係がより一層促進されることを期待しております。

最後になりますが,このたびの訪問に関係された多くの方々に対し,深く感謝の意を表したく思います。