文仁親王殿下お誕生日に際し(平成24年)

文仁親王同妃両殿下の記者会見

会見年月日:平成24年11月22日

会見場所:秋篠宮邸

文仁親王同妃両殿下のお写真
記者会見をなさる文仁親王同妃両殿下
問1 殿下にお伺いします。東日本大震災からおよそ1年8ヶ月が経過したものの,被災地の復興への道のりはいまだ半ばの状況です。一方で今年は,ロンドンオリンピックで日本選手団が大活躍するなど国民を勇気付ける明るいニュースもありました。皇室については,天皇陛下の心臓の手術,寬仁さまのご逝去があり,心労の多い日々が続いたと推察します。また6月に,殿下は妃殿下とご一緒にウガンダを皇族として初めて公式訪問されるなど,様々な出来事がありました。
この一年を振り返り,ご公務の他,天皇陛下や皇族方との交流などプライベートの両面で印象に残った出来事をお聞かせ下さい。
殿下

今,お話がありましたように,今年はロンドンで行われたオリンピックで多くの日本の選手が活躍をし,また,10月には山中教授のノーベル賞(受賞が)決定したと,とても明るいニュースが多くありましたが,一方で,豪雨による災害があったり,また,東日本大震災から1年8か月がたってもまだ完全に復興するには相当な時間が掛かるという現在の状況があります。

そのような中で,私のこの1年で印象に残ったことを挙げますと,例えばこれは春だったと思います。3月でしたか,東日本大震災の被災地の宮城県から100名以上,小さいお子さんから高齢の人たちが,今まで支援してきた人に対して,「ありがとう」との意を伝えたいということでミュージカルを上演してくれました。私たちも,(妃殿下を振り向かれて,確認されるように)佳子もでしたか,その催物を鑑賞しに行ってまいりましたけれども,被災者の人たちが元気に歌って踊って,ミュージカルを演じてくださった姿を見て,とてもうれしく思いました。そしてそのことが強く印象に残りました。また,同じく震災に関連することでありますけれども,これも春ですが,東北地方で被災した文化財を展示する会があり,私たちも,(妃殿下を振り向かれて,確認されるように)眞子も行ってきましたね,行ってまいりました。それぞれの地域の宝である文化財が多く失われたわけですけれども,幸いに救出された物をできる限り前の状況に戻すべく様々な機関が作業に当たっているわけです。私がおります山階鳥類研究所も,救出された鳥の標本ですね,鳥類標本の修復のお手伝いをいたしました。これは私にとりましても,鳥類研究所にとっても,そのようなお手伝いをすることができたことは大変良いことだなと思っております。

また,今年は海外の訪問としてはアフリカのウガンダに二人で行ってまいりました。アフリカを二人で訪問するのは(妃殿下をご覧になって)初めてになります。外交関係樹立50周年の機会でありましたけれども,現地においてムセベニ大統領始め多くの人たちに温かく迎えていただいたことを大変うれしく思いますとともに,例えば,稲の栽培技術であるとか,品種の開発など,また,(ウガンダが)独立したのが50年前ですけども,それから早々に現地で創業した(日本)人たち,その他様々な日本人が関わっているということを改めて認識しました。そのことは大変強く印象に残っておりますし,またナイル川の源流を訪れたり,期間は短かったのですけれども,ウガンダの自然に触れる機会を得ることができたことは大変良い思い出となりました。

両陛下始め皇族との交流という話がありましたけれども,本年も私たちの長男がいつ頃からですか,(妃殿下を振り向かれて)初夏ぐらいからですか,夏ですか,御所に行ったのは。

妃殿下

(殿下を振り向かれて)初夏でしょうか。

殿下

初夏ぐらいからですか,相変わらず虫取りが好きなものですから頻繁に御所の方に出掛けまして,その時は私たちも一緒に行くことが多かったわけですけれども,そこで両陛下と私たち3人,かなり多くの時間を過ごせました。(妃殿下を振り向かれて)あと葉山もありましたね。

妃殿下

(殿下を振り向かれて,うなずかれながら)そうでございましたね。いつだったでしょうか。

殿下

(妃殿下を振り向かれて)9月でしょうかね。一方,皇族同士の交流ということも今,質問の中にありましたけれども,確かに行事などがあるときに待ち時間とかに話をする機会はありますし,また,この赤坂御苑の中を散策しているときにそこで会って立ち話的なことをすることはあるわけですけれども,全般的に言うと交流という意味では私はそれほど多くないと思います。(妃殿下を振り向かれて)でしょうね。

妃殿下

(殿下を振り向かれて)はい。ふだんのお務めもございますし,時間的にも限られておりますのでしょうから。

殿下

以上です。

問2 両殿下にお伺いします。今夏,眞子さまは英国エディンバラ大に留学され,佳子さまと悠仁さまはそれぞれ,大学と小学校に進学の時期を迎えました。
3人のお子さまについて,最近のご様子や教育方針などについてお聞かせ下さい。特に眞子さまと佳子さまについては今後のご公務で期待される事や,結婚についてどの様なお話をされているのか,悠仁さまについてはお歳の近い愛子さまとのふれ合いも含めてお願い致します。
殿下

長女の眞子は,今,スコットランドの方に行っており,それほど頻繁に連絡を取っているわけではありませんので,向こうでどういう生活をしているのか,私はそれほどよく知っておりません。何か連絡があるときだけ簡単なメールを打つくらいで,簡単な返事が来るくらいですけれども,恐らく現地にて楽しく有意義な時間を過ごしてくれているのだろうと思います。先月,21歳の誕生日であったわけですけれども,娘からもらった連絡では,その機会に,誕生日の前後でしょうか,何回かあったみたいですけれども,お友達が誕生パーティーのようなことをしてくれたと言って喜んでおりました。

また,次女の佳子ですけれども,今,高校3年生です。どの高校3年生も忙しい時期だと思います。そういう忙しい時期ではありますけれども,その中で,例えば,秋などは,あれは学園祭と言うのですかね。(妃殿下を振り向かれる。)

妃殿下

(殿下を振り向かれて,うなずかれながら)学園祭・・・。

殿下

学園祭とか,幾つかの行事があって,それに(妃殿下を振り向かれて)何と言うんでしょうね。

妃殿下

(殿下を振り向かれて)参加する・・・。

殿下

それに参加することをとても楽しみにしておりましたし,恐らく彼女も有意義な高校生活,最後の高校生活を過ごしているのではないかと思いますけれども,私は余り子どもの学校のことをふだん聞くことはないので,(妃殿下を振り向かれて)どうでしょうね。

妃殿下

そうでございますね。(とお考えになる。)

先に長女の眞子の方からお話をさせていただきます。宮様と同じように,私も連絡を頻繁に取っておりませんが,この夏からエディンバラ大学に短期留学をしておりますが,エディンバラに着きましたのは8月の下旬でございまして,その時はちょうどエディンバラ・フェスティバルが開催されており,音楽や舞踊などの芸術を鑑賞する機会に恵まれました。その後9月から大学が始まり,長い歴史と多様な文化を持つこのエディンバラの街で友人らと有意義な大学生活を送っているようで,うれしく思います。

殿下

(妃殿下をご覧になって)余り細かいところは分からないですね。何といってもね。

妃殿下

(殿下にお尋ねになって)ふり返りますと,いかがでしょう。宮様が留学されていたとき,いろいろと大学でのご講義やその他のご活動がございましたでしょうか。

殿下

(妃殿下をご覧になって)ありましたね。

妃殿下

(大学での様々なご活動で)時間の余裕がなくなってくることもございますでしょうが,これから迎える冬,そして春の季節を元気に過ごしてくれればと願っております。

また,次女の佳子についてでございますが,高校3年生で,この秋も高校最後の運動会,そして文化祭に参加しました。最終学年も半分が過ぎましたけれども,友人らと共に充実した日々を過ごしていると思います。娘二人の中学,高校,合わせて9年間,学校の行事を参観してきましたが,学校で娘たちの様子を見ることができ,また,私自身が同じ学校に通っておりましたので,その頃のことを懐かしく思い出す機会にもなり,こういう機会もあともう少しと思いますと,時の流れを強く感じます。

今年の夏は次女の佳子は私たちと一緒に全国高等学校総合文化祭で富山県を訪れ,高校生の文化活動を見せていただきました。また,宮邸ではパラグアイやブラジルから長時間かけて訪日された生徒,学生の皆様とお会いし,親しく交流いたしました。このような経験を始め,進路のことなど,将来に向けて自分の考えをまとめる機会として大切に過ごしてほしいと思っております。

殿下

もう一つ,今後の公的な活動についてというお話がありましたけれども,やはり以前にもお話をしましたけれども,私としましては,これは娘たちにもよく言っていることですが,せっかくそういう機会を頂いているわけですので,一つ一つを大切に思いながら務めてほしいと申しております。(妃殿下を振り向かれる。)

妃殿下

私も,長女は大学生,次女は高校生として学業を大切にしながら,また,様々な経験を通して広い視野に立って考えられるよう,そして与えられた務めをしっかりと果たせるようになることを願っております。

殿下

長男の悠仁の様子ですけれども,先ほどもお話ししましたように,昆虫好きは今でも続いていて,休みの日などにはよく捕虫網を持って虫取りに出掛けています。一方で,最近は折り紙にも関心を示しています。(妃殿下を振り向かれて)動物ですか。

妃殿下

(殿下を振り向かれて)様々な動物に挑戦しています。

殿下

(妃殿下をご覧になって)そのほか何かありますかね。

妃殿下

そうですね。折り紙の中で。(とお考えになる。)

殿下

折り紙のほかにも。あとあれですね。(妃殿下を振り向かれて)あれはどういう物なんですか。クラフトみたいな感じですね。(妃殿下うなずかれる。)例えば切って組み立てると恐竜が出来上がるというようなものもありますけれども,そういうのも関心を持って,手を使って作るということが今非常に興味があるような感じがいたします。

妃殿下

ほかに興味があることを今,考えておりましたが,最近は自転車に乗ることが多くなりました。主にこの御用地内になりますでしょうか。私たちも自転車に乗って一緒に出掛けることもありますし,次女は高校3年生なので余り余裕はございませんけれども,悠仁が「行かない?」と誘って,ちょっと運動がてら自分の姉と一緒にサイクリングをしていることもございます。今はヘルメットをかぶりまして,そしてここの(秋篠宮邸の)玄関を出ますとすぐ坂道がございまして,その急な坂道を上り,ちょうど今の季節はムベの実が実っている道を通り,また砂利道を走り,自転車の小さな旅を楽しんでおります。

屋外だけではなく,部屋の中でも乗り物遊びをしております。外出したときによく見かける道路標識や車,歩行者の信号などに関心を持ちまして,家に戻りましてからそれを紙に描き,そして立体的に作ってそれをいろいろな所に置いたり貼ったりしながら,子ども用の小さな車で両足でけりながらハンドルを動かして,時には勢いよく動きまわっております。このような遊びも今年,新しく加わりました。

また,幼稚園のことになりますが,11月には約2週間にわたる幼稚園の秋のお休みがございまして,それが終わり,今は木々の葉が綺麗に色づく園庭で友達と元気に遊んでおります。幼稚園の年少,年中のときは組単位で過ごすことが多くありましたが,今年の春から年長組になりまして,二つある組が混ざって幾つかのグループやチームを作り,遠足などの園の活動をするようになりました。幼稚園最後の運動会では年長組が六つのチームに分かれまして綱引き,お遊戯,リレーなどに参加しました。リレーでは走っている自分と同じチームの仲間を応援したり,また応援されたりしましたけれども,組を越えて同じチームの仲間と思いを共有する大変良い機会になりました。(殿下を振り向かれて)後はほかに・・・。(とお考えになる。)

殿下

私も運動会だけは見に行くのですけれども,年少組,つまり一番最初のときと年長組になった今年,その3年間で随分子どもというのは大きくなるというか成長するものだなという印象を持ちました。

妃殿下

(殿下をご覧になって,お考えになりながら)そうでございますね。年少のときは,運動会はどういうものかわからずに参加しておりましたが,年中になりだいぶ運動会の様子がわかりまして,年長組では年少,年中の競技も楽しみながら,また保護者の参加する競技もありましたけれども,それも楽しみながら幼稚園最後の運動会を過ごしていたと思います。

殿下

(妃殿下をご覧になって)よろしいですね。

妃殿下

(殿下を振り向かれて,うなずかれながら)楽しい1日(運動会)でございました。

殿下

質問の最後の方もう一度言っていただけますか。

幹事

ご公務の話はしていただきましたけれども,結婚についてどのようなお話をされているのか,そしてまた悠仁さまについてはお歳の近い愛子さまとのふれ合いも含めてお願いいたしますという質問です。

殿下

結婚については,これはもう本人次第でこちらが何か言うということは今の段階ではありません。(妃殿下を振り向かれて)ですね。

妃殿下

(殿下を振り向かれて)はい。特に結婚について特に具体的にお話しすることはございません。

殿下

(妃殿下をご覧になって)後,愛子さまとのお話。

妃殿下

敬宮さまと悠仁のふれ合いでしたでしょうか。敬宮さまとご一緒するときは,悠仁のほかに佳子が一緒のことが多うございます。眞子は今,留学しておりますので,敬宮さま,そして佳子,悠仁の3人で楽しく過ごすことがあります。来月に敬宮さまは11歳のお誕生日をお迎えになられますが,年齢が上がられますにつれて,敬宮さまは,佳子とお話をされていることが多くなっているように思います。恐らく二人とも十代であり,そのような女の子同士のお話を楽しんでいるのではないかと思います。

殿下

(妃殿下をご覧になって)そんなところですね。

問3 両殿下にお伺いします。天皇陛下は今年2月に心臓バイパス手術を受けられ,その後,胸水を抜く治療を経て,葉山で和船を漕がれるまでに回復されました。その陛下を皇后さまは万全とはいえない体調の中で献身的に支えられました。
手術の前後の両陛下のご様子や,ご家族で交わされた会話,印象に残っているエピソードなどをお聞かせ下さい。
殿下

今年の2月,天皇陛下が心臓の手術を受けられました。まずその手術が無事に終了したということを,私たちは大変うれしく思いましたが,その後胸水がたまるという問題が出てまいりました。陛下ご自身も非常に大変であられたと思いますけれども,皇后陛下もさぞ心配されたのではないかと思います。しかし気候が良くなり,その後回復されて,海外,英国にも行くことができたというのは,私たちにとりまして大変うれしいことでありました。今回の手術を迅速に決断されたというのは,やはり私は昨年の東日本大震災以降,日本が大変な状況にある中で,少しでも良い健康状態で務めを果たしていきたいというお気持ちがあったからではないかと推察しております。東京大学そして順天堂大学が協力して手術に当たっていただいたわけですけれども,今回の執刀をされた順天堂大学の天野教授を始め医師の方々に深く感謝をしております。

手術前後のエピソードについてですけれども,何といっても9か月前のことになるものですから,その時にどういう会話を交わしたとかというのは,今なかなか思い出せない状況です。

妃殿下

心臓のご手術ということで大層ご案じ申し上げておりましたが,ご無事にご手術がお済みになられましたことに大変安いたしました。ご手術後,胸水のことでおつらく,また皇后さまもご心配でいらしたと思いますが,春の訪れとともにだんだん良くなられ,御所のお庭で春草をお摘みになられたお話を伺い,大変うれしく思いました。皇后さまがおそばにいらしたことは,天皇陛下にとりまして大変大きな心の支えになられたと思います。寒さが増してまいります中で,両陛下にはお健やかな日々をお過ごし遊ばされますよう願っております。

問4 殿下にお伺いします。殿下は平成22年の記者会見で,天皇陛下のご負担軽減について「常に考えていかなければならない」と述べられ,昨年の記者会見では「定年制はやはり必要になってくると思います」とお話しになりました。また,皇后さまについては,宮内庁が先月20日のお誕生日の際にもう少しご休養の日数を取っていただかなければならないとの考えを示しています。
こうした両陛下の公務の負担軽減について,最近のご健康状態も踏まえ,現在どの様にお考えでしょうか。
殿下

天皇陛下は公務のほか様々な公的な行事への出席があります。これは皇后陛下も,公的な行事という意味で同じになります。今年は,入院されていたこともありますけれども,それでも,相当な数のご公務と公的な活動がおありになったわけです。負担軽減というのは,これは当然必要なことではありますけれども,一方で,陛下でないとできないお仕事というのもかなりあるわけです。それからもう一つ,公平性をきちんと維持しながら,行事を少なくしていくということは,これはなかなか私は難しいことだと思います。ある一つのところから依頼があってそれは受けるけれども,同じような,もし横並びの状況があったとした場合に,もう一つのところからあったのは断ると,それはできないですね。したがって,公平性をきちんと維持しながら,どうやってご負担軽減をしていくかということになると,これは私,以前もお話ししましたけれども,行事の内容を変えていくということになるのだと思います。そして,もう一つは,陛下のご意志を尊重しなければいけませんし,そういうもろもろのことを考えますと,ご負担を軽減するということ,つまり量的なものを軽減していくということは,意外と難しいことだと私は思っております。しかし,そうはいうものの,周り,私たちを含めてですけれど,それから宮内庁などは,どのようにしたらご負担を軽減できるのかということを,常に気を付けていなければいけないと私は思います。

問5 殿下にお伺いします。政府は,皇族女子が結婚により皇籍を離脱する現在の制度を見直すため,有識者ヒアリングを行い,10月5日,論点整理という形で具体的な方策を示した案を発表しました。内親王に皇室のご活動を支えていただけるよう,結婚後,「皇族の身分を保持する」「皇籍離脱後も国家公務員として公的な立場を保持する」などの案を示しました。殿下は昨年の誕生日に際しての記者会見で,「今後の皇室の在り方を考える時には私もしくは皇太子殿下の意見を聞いてもらうことがあって良いかと思います」と述べられました。
将来,皇位を継承する立場にある悠仁さま,2人の内親王の父親として,現行制度のままでは皇族が減っていってしまうという現状や今回示された案をどのように受け止めておられるのか,眞子さま,佳子さまとこの件についてお話しされたことがあれば,その様子も含めてお聞かせ下さい。
殿下

以前に皇族の数が少なくなることについて,私は国費負担の点からも決して悪いことではないというお話をいたしました。そして一方で,もし仮に今後も皇室を集団として残していくのであるのならば,ある程度の人数が必要であるということもお話しいたしました。この考えは今でも変わっておりません。

また,有識者ヒアリング等の様子も,折に触れて聞いております。しかし,これも制度のことになるわけですので,これ自体は国会の議論に委ねるわけです。何といっても現在,様々な議論が行われている最中でありますので,私がここで,そのことについて何か意見を述べるというのは控えたいと思います。また,娘たちとは,このことについて話をしたことはありますし,現在の状況も伝えておりますので,彼女たちもそのことについて承知をしていると思いますけれども,こちらについても,どういう話をしているかは,ここで述べるのは控えたいと思っております。以上です。

関連質問1 殿下にお伺いいたします。先ほど天皇陛下の手術のことで質問させていただきまして,それで,エピソードなどちょっとなかなか覚えてらっしゃらないということをおっしゃいましたけれども,もし覚えていらっしゃったらということで,天皇陛下の手術のあった翌日の2月19日ですね,殿下は皇太子さまと共に陛下をお見舞いされました。その時の,本当に手術を終わった翌日の,初めてお会いした時の様子とか,やり取りをもし覚えていらっしゃるのでしたら教えていただければと。それと,陛下のですね,手術を終えられて,殿下から見て,ああ本当にご回復されたのだな,というような何かシーンがですね,実感としておありでしたら,そのことも併せて教えてください。
殿下

手術直後に病院にお見舞いに行った時の様子ですけれども,その時はまだそれほど長い時間お話できる状況ではありませんでしたので,具体的にどういう話をしたかは,私ちょっと記憶にありません。お見舞いの言葉を述べて,ひとことふたこと何かを話して,全部で10分か15分だと思いますけれども,そこの部屋に皇太子殿下と一緒にいたという感じです。

それから,いつ頃から(天皇陛下のご回復を実感されたか)というのは,やはり,季節が暖かくなって,ある時期から,御所に行ってお話をしているときに,例えば,少し食欲が前よりも出てきたとか,そういう話が出たときに,少しずつ良くなっているんだな,と感じたと思います。

関連質問2 殿下にお伺いします。先日,殿下と悠仁さまご一緒に神武天皇陵をご参拝になられましたけれども,皇室の伝統といいますか,皇統に関する場所を訪れられたのは,恐らく悠仁さまにとっては初めてかなと思うんですが,まだお小さいのでご理解できるお年ではないかとは思いますけれども,殿下の方からですね,悠仁さまに対して,今のお立場と皇室の歴史ということに関して,それとなく易しくご説明されることはあるのでしょうか。
殿下

どう答えていいか分かりませんけれども,橿原の神武天皇陵に行く前は,本当に大まかに話をしておきました。ただ,自分の長男がどういう立場にいるかというのは,私はだんだん年を経るにつれて,分かっていくのがいいのではないかと思っております。今,君はこういう立場なんだよ,というようなことは私たちは話しておりません。よろしいでしょうか。

お言葉の重複や助詞など,わかりにくい表現の箇所は,若干の修正をしてありますが,ご発言の内容は変更しておりません。

文仁親王殿下のお誕生日に際してのご近影