皇太子殿下 モンゴルご訪問を終えて

皇太子殿下のご感想

(平成19年7月17日)
モンゴルご訪問を終えて

この度,エンフバヤル・モンゴル国大統領からのご招待を頂いて,初めて同国を訪問いたしました。

まずは,ご招待を頂き,温かくおもてなしくださったエンフバヤル大統領とモンゴル国に対し,深く感謝の意を表します。モンゴル国では,ウランバートル及びハラホリンの両地を訪れましたが,いずれの地でも国民の皆様に大変温かく迎えていただいたことを心からうれしく思っております。

モンゴル国では,まず,抑留中に亡くなられた方々の慰霊碑に供花をし,抑留された人々のご苦労に思いを致しました。

次に,国の最大の行事であるナーダムの開会式に出席し,引き続いて相撲,弓,競馬の競技の様子などを見ることができました。いずれの競技も,見ていて大変楽しいものであり,モンゴルの人々に愛されている様子がよく分かりました。大統領には,これらの各競技の視察の際に,常に丁寧なご説明を頂いただけでなく,競馬を見た後にはご自身のゲルにお招きを頂いて,大統領と馬を並べてゲルまでまいりましたことは,大変印象深く,また有り難いことでした。

自然史博物館や,ハル・バルガスなどの遺跡を訪問した際には,恐竜の化石や遺跡の研究者たちの熱心な活動も印象的でした。また,これらを含め,日本の様々な分野での協力が現地の人たちからも高く評価され,感謝されていることは,うれしく,また,心強く感じました。

モンゴルの自然は,本当に印象的でした。果てしなく続く草原の景観はすばらしいものでした。ウギー湖畔では,モンゴル馬に乗ってのトレッキングも楽しむことができました。

牧民宅などを訪問した際には,モンゴルの伝統的な形で迎えていただいたことも印象的でした。また,様々な機会においしいモンゴル料理や民族音楽なども堪能(たんのう)することができました。横綱朝青龍及び横綱白鵬のご家族にお会いできたこともうれしく思いました。

昨日の,モンゴル日本センター設立5周年式典やモンゴルにおける日本年の行事に参加して,これまでの日本とモンゴルの協力関係を築いてきた多くの方々にお会いできたことは大変有意義なものであったと感じています。日本とモンゴルの友好関係は多くの先人のご苦労・ご尽力の上に築かれたものです。今回の私のモンゴル国訪問が,これまでの様々な交流により培われてきた日本とモンゴル両国の友好の絆(きずな)を一層強固なものにすることに少しでも貢献できれば幸いです。

なお,今回の訪問に雅子が同行することができなかったことは残念でしたが,お目にかかった方々からお見舞いとお励ましの言葉を頂いたことを有り難く思っております。

訪問中に接した台風4号や中越沖地震のニュースには大変心を痛めております。亡くなられた方々のご冥福(めいふく)をお祈りするとともに,被災された方々にお見舞い申し上げます。