主な式典におけるおことば(平成27年)

皇太子殿下のおことば

第60回青少年読書感想文全国コンクール表彰式
平成27年2月6日(金)(経団連会館)

第60回青少年読書感想文全国コンクールで本日表彰を受けられた皆さん,おめでとうございます。

この表彰式に私が出席するのは3年ぶり13回目となりますが,毎回,受賞者の皆さんが読んだ本について,笑顔で,生き生きと話してくれたことが,強く印象に残っています。

今回の表彰式に当たり,皆さんの書かれた感想文の幾つかに目を通しました。皆さんが,本を読んだり感想文を書くことを通じて,すばらしい本と出会った感動や,喜びを感じたり,自分の世界を広め成長されていく様子が,しっかりと伝わってきました。

自分が感じ,考えたことを言葉にまとめ,文章にすることは簡単なことではありません。今回受賞された方々だけでなく,多くの皆さんが机に向かい一生懸命感想文を書いている姿が目に浮かびます。

このコンクールは,青少年が良い本に親しむ機会を増やしたい,また,そのための読書指導を盛んにしたいとの思いから始まり,続いてきたもので,第60回という節目に当たる今回,449万編以上の作品が寄せられたと伺いました。学校や家庭,様々な場において,子供たちの読書のための環境を整え,感想文の指導に当たられた多くの方々のご努力にも,心から敬意を表したいと思います。

これからも,若い人々が読書によって豊かな知識を吸収しつつ,驚きや喜びなど様々な感動を経験し大きく成長されることを期待いたします。モンゴメリの著作「赤毛のアン」に,主人公アンの言葉として,「曲がり角をまがったさきになにがあるのかは,わからないの。でも,きっといちばんよいものにちがいないと思うの。」(村岡花子訳)というものがあります。皆さんも学校生活を送る中で,あるいは学校卒業後も,様々な曲がり角に出会うでしょう。けれども,そんなときに,是非,その先にあるものが良いものであるという希望を持って,未知の世界に羽ばたいていっていただきたいと思います。

このコンクールが一層発展していくことを願い,お祝いの言葉といたします。

第29回日本医学会総会 2015 関西 開会式
平成27年4月11日(土)(国立京都国際会館)

本日,第29回日本医学会総会 2015 関西 開会式に,多くの医学・医療に携わる皆さんと共に出席できることをうれしく思います。

日本医学会総会は,明治35年に開かれた日本聯合(れんごう)医学会以来,4年ごとに開かれ,今回が第29回に当たると聞いています。

前回は,直前に発生した東日本大震災のために,参加者が会場に集まるのではなく,電子媒体を通じて行う形態での開催になったと伺っていますが,今回,皆さんが8年ぶりに一堂に会し「医学と医療の革新を目指して-健康社会を共に生きるきずなの構築-」をメインテーマに議論を深められることは大変意義深いことです。

これまで我が国では,多くの医学研究者や医療関係者らの努力によって,医学・医療が目覚ましい進歩を遂げ,また,優れた医療制度が整備されることで,世界で1,2を争う長寿国となってきました。一方で,少子高齢化社会と言われるように,国民皆保険制度が確立した1960年代とは人口構成が大きく異なってきており,我が国のこの優れた医療制度をどのようにこれからも持続可能なものとし,より良いものに発展させていくのか,また,いかにより多くの人々が健康で長寿を享受できるような社会にするのかが問われています。この課題には,医学・医療に携わる人々のみならず,社会全体として力を合わせて取り組むことが求められています。

こうした中,我が国では,がんや再生医療の分野などにおいて世界に先駆けて進歩している治療法の開発があり,また,遺伝子研究の進歩により,病気が発症する前に予測して対処するという,一人一人のニーズに応じた新しい予防医学の考え方も進められてきています。この医学会総会でもその成果や展望が発表されると聞いています。

特に今回,このような重要な課題について,関西6府県の大学や医師会などの協力により,様々な分野の医学・医療関係者はもちろん,幅広い産業界を始め,多くの一般市民も参加する,今までにない社会に開かれた医学会総会としての取組がなされることは,とても大切なことと思います。

最後に,医学や医療の発展に尽くしてきた関係者の努力に対し,心から敬意を表し,この度の総会で議論された成果が,人々が健康で安心して暮らせる明るい社会に向けて寄与することを願って,開会式に寄せる言葉といたします。

第26回全国「みどりの愛護」のつどい
平成27年5月30日(土)(宮崎県総合文化公園)

第26回全国「みどりの愛護」のつどいが,ここ宮崎県総合文化公園において開催されるに当たり,日頃から緑の愛護活動に携わっておられる皆さんと共に出席できることをうれしく思います。

我が国は,緑豊かな環境の中で,四季折々に姿を変える美しい自然の恵みを受け,数多くの文化を生み,育んできました。宮崎県も,日向灘(ひゅうがなだ)を望む日南海岸や日豊 (にっぽう)海岸などの変化に富んだ海岸線や,霧島連山に代表される緑濃い山々など美しい自然環境と,古事記や日本書紀に記された神話や伝承,多くの史跡などの歴史文化資源を有し,温暖な気候や豊かな水資源にも恵まれて発展してきました。

水の健全な循環のために大切な存在である豊かな緑は,私たちの暮らしにゆとりと潤いをもたらすとともに,地球温暖化を始めとする様々な環境問題を改善し,多様な生態系を支え,さらには災害防止にも大きな役割を果たしています。

豊かな緑を守るとともに,新たな緑を創り出していくためには,多くの人々がその大切さを理解し,幅広く運動に参加することが重要です。その意味でも,ただ今表彰を受けられた方々の緑の愛護活動への取組は,大変意義深いものであり,皆さんの努力に対し深く敬意を表します。

終わりに,今回のつどいにおいて,全国から参加された皆さんが相互に交流を深め,緑を守り育てる心を新たにされるとともに,これを通じて,緑豊かな環境づくりが一層発展することを願い,私の挨拶といたします。

平成27年度全国高等学校総合体育大会総合開会式
平成27年7月28日(火)(和歌山ビッグホエール)

平成27年度全国高等学校総合体育大会「2015 君が創る 近畿総体」が,全国各地から多数の参加者を迎えて,世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に代表される,豊かな歴史・文化と美しい自然に恵まれたここ和歌山県,そして,滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県で開催されることを,喜ばしく思います。

選手の皆さんには,厳しい暑さの中,体調管理に気を付け,日頃鍛えた力と技を十分に発揮するとともに,お互いに友情を育み,地元の方々とも交流を深めて,高校生活のすばらしい思い出をつくってください。

そして,この大会が,選手の皆さんの活躍と地元高校生の協力により,実り多いものとなるよう願っています。

皆さんのご健闘を心からお祈りします。

第23回世界スカウトジャンボリーアリーナショー
平成27年8月2日(日)(第23回世界スカウトジャンボリーアリーナ)

Address by His Imperial Highness The Crown Prince
at the Arena Show of the 23rd World Scout Jamboree
August 2, 2015
the 23rd World Scout Jamboree Arena

Greetings to all Scouts

It is a great pleasure to be here with scouts from about 150 countries and regions to attend the 23rd World Scout Jamboree.

I find it wonderful to see you all being together, sharing time together and talking to one another with your friends in Scouting. I myself have attended the National Jamboree since 1976, and experienced cooking outdoors and tent life in 1982 and 1986. I greatly cherish these wonderful and unforgettable memories and they are deeply engrained in my heart.

I have heard that the theme of the Jamboree this year is “WA: a Spirit of Unity”. The Japanese word “WA” has various meanings such as “harmony”, “friendship”, “peace”, and I think these ideals are exactly what you as Scouts are trying to achieve.

We all have different faiths, speak different languages, and grow up in different cultural and historical backgrounds. I assume that you are feeling and experiencing daily these diversities among yourselves and your friends at this Jamboree. At the same time, you surely find among yourselves the shared belief, “To help other people at all times”.

These ideals and beliefs, together with the friendship flourishing in this small world of the Jamboree, will lead the world to be a better place. I am convinced that you will learn more about this “Spirit of Unity” during the Jamboree and will cherish the notion of “WA” as a precious reminder of it.

In conclusion I would like to wish you every success in the World Scout Jamboree this year, and renew my sincere wish that the Scout Movement will further advance with the aim of developing youth who will be able to contribute to a peaceful and prosperous future.

Thank you.

第39回全国育樹祭
平成27年10月11日(日)(岐阜県揖斐川町谷汲緑地公園)

挨拶に先立ち,この度の「平成27年9月関東・東北豪雨」により亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに,ご遺族と被災された方々にお見舞いを申し上げます。災害からの復旧が一日も早く進むことを願っております。

第39回全国育樹祭が全国各地から多くの参加者を迎え,ここ岐阜県の谷汲(たにぐみ)緑地公園において開催されることを喜ばしく思います。

岐阜県は,県土の8割が森林で占められており,この森林からもたらされる清流がくまなく巡る,美しい自然に恵まれた地であります。また,スギやヒノキの生産を始め,県内各地で林業活動が盛んに行われるとともに,地域特有の自然環境がよく残されており,林業関係者を始め県民の皆さんのたゆみない努力の賜物(たまもの)であると思います。

58年前に昭和天皇,香淳皇后がお手植えになり,その後,天皇皇后両陛下が皇太子同妃両殿下時代にご視察になったスギの手入れとして,先ほど,私は,全国育樹祭では初めてとなる間伐のため,鋸入(のこい)れを行いました。長い歳月の間に,力強く成長した姿に深い感慨を覚えながら,木々の成長を促し,災害にも強い森林を育てる上で,間伐が適切に行われることは,とても意義深いことと感じました。

森林は,山地での災害防止,林産物の供給,水源の(かん)養等,多面的な機能を果たすことで人々の暮らしを豊かにしてきました。また,温暖化防止や生物多様性の保全など,地球環境の保全に果たす役割も大いに注目され,期待されております。

このような森林の大切さを思うとき,緑を守り,育んできた技術や文化を次の世代に引き継いでいくことは,私たちに課せられた大きな役割であり,近年,企業やボランティア団体の皆さんの自主的な森林整備活動の取組が広がっていると聞き,大変うれしく思います。

本日表彰を受けられる方々を始め,日頃から各地域において国土の緑化に尽力されている全国の皆さんに敬意を表するとともに,その活動が,より多くの人々によって支えられ,更に発展していくことを期待します。

終わりに,この度の大会テーマである「手から手へ 豊かな緑で ぼくらの未来」にふさわしく,先代から受け継いだ森林を守り育て,次の世代へ引き継いでいく活動の輪が,ここ岐阜の地から世界へ,そして未来へと大きく広がっていくことを切に願い,私の挨拶といたします。

GEA国際会議2015開会式
平成27年10月15日(木)(ザ・キャピトルホテル東急)

国内外から多くの参加者を迎え,GEA(地球環境行動会議)国際会議2015が開催されることを,喜ばしく思います。

地球温暖化は,今や現実の問題として進行しています。例えば,温室効果ガスの継続的な排出は,更なる温暖化と気候システムの長期にわたる変化をもたらし,人々や生態系にとって深刻で広範囲にわたる不可逆的な影響を生じる可能性が高まると指摘されています。

このような中で,「気候変動対策と持続可能な社会の実現に向けて」をテーマとした本会議は,持続可能な開発に向けて世界の(えい)智を結集する貴重な機会です。1992年のリオ・サミットから20年を経た2012年6月,再びリオデジャネイロにおいて「国連持続可能な開発会議」が開催され,世界188か国により,持続可能な未来への道筋を描いた「我々が望む未来」という文書が合意されました。また,本年9月には国連において,「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され,向こう15年間にわたる,新たな地球規模の持続可能な開発目標が決定されました。今,私たち一人一人が,私たちの望む未来に向けてどのように行動するかが,問われています。

この会議では,気候変動対策に関連する温室効果ガスの排出削減,持続可能な開発目標,学識経験者や研究者の果たす役割などについて,様々な分野の専門家を迎え,議論が行われると聞いております。

この会議で,私たちと,私たちの子孫,そして全ての生物が,いつまでも地球環境の恵みを享受することができるような未来に向け,活発な議論が行われ,世界に向けて発信されることを期待しています。そして,持続可能な社会の構築に向け,具体的な取組が更に進むことを願い,私の挨拶といたします。

第42回「日本賞」教育コンテンツ国際コンクール授賞式
平成27年10月22日(木)(NHK放送センター)

今年,創設から50年を迎えた「日本賞(にっぽんしょう)」授賞式に,世界各地の皆さんと共に出席できることをうれしく思います。

私が初めて「日本賞(にっぽんしょう)」の授賞式に出席したのは,1989年のことです。当時は,まだテレビ番組とラジオ番組の二つの分野で作品の審査が行われていました。以来,双方向通信の技術をいかした演出など作品を制作する技術の高度化,コンピュータグラフィックスなど表現方法の多様化により,年を追って応募作品は様々に変わってきました。

こうした様々な変化の中でも,教育のために放送をいかしていくという「日本賞(にっぽんしょう)」が創設されたときの精神は,半世紀の間,変わることなく守り続けられていると思います。制作者の皆さんは,子供たちを見つめ,育むことと同時に,生涯教育に資する良質の作品を制作しようと,たゆまぬ努力を続けてこられました。その皆さんの熱意に心から敬意を表します。

未来の社会の担い手である子供たちにとって,良い教育コンテンツに接することがますます大切になってきていると思います。今年,50年の記念の年にも,多くの子供向けの作品の応募があったと聞いております。優秀作品としてこの場で紹介される番組や企画だけでなく,全てが,いずれもひとしく子供たちの未来を思って作られてきたものには違いありません。そうしたところに,教育番組の意味の大きさ,そして,この「日本賞(にっぽんしょう)」の意義の深さがあるのだと思います。

これからも未来に向けて,「日本賞(にっぽんしょう)」の参加者や主催者,関係者の皆さんが力を合わせて,この事業をますます発展していかれることを願い,私の挨拶といたします。

第15回全国障害者スポーツ大会開会式
平成27年10月24日(土)(紀三井寺公園陸上競技場)

第15回全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」の開会式に全国各地から参加された多くの選手,役員,そして開催地である和歌山県の皆さんと共に出席できることを大変うれしく思います。

この大会が,「とどけよう スポーツの力を東北へ!」を合言葉に,東日本大震災からの復興・再生を願い,開催されることは大変意義深いことです。

選手の皆さんには,日頃の厳しい練習の成果を発揮して,大いに活躍していただきたいと思います。また,万葉の時代から「紀の国」とよばれ,悠久の歴史と豊かな自然があふれる和歌山県で,選手同士はもちろんのこと,ボランティアの方々や地域の皆さんと出会い,共に楽しみ,交流を深め,たくさんの思い出を作ってください。

我が国において,全国障害者スポーツ大会の開催は,これまで障害者スポーツの振興に大きく寄与してきました。今後,2020年の東京パラリンピックに向け,「紀の国わかやま大会」が契機となり,障害者スポーツがより一層発展するとともに,障害者に対する理解が更に深まることを希望します。

終わりに,この大会の開催を支えてこられた皆さんの努力に,心から敬意を表するとともに,大会のスローガンにもあるように,参加する全ての人が躍動し,その生き生きとした姿と笑顔が多くの人々に力と感動を与え,(きずな)が深まっていくような大会となることを願い,私の挨拶といたします。

第30回国民文化祭・かごしま2015開会式
平成27年10月31日(土)(鹿児島アリーナ)

「第30回国民文化祭・かごしま2015」の開会式に,皆さんと共に出席できることを大変うれしく思います。

鹿児島県は,古来より,黒潮に乗って行き来する様々な文化の交流を通じて,各地域の自然,歴史及び風土に根ざした多彩な文化芸術を育んできました。

8世紀には鑑真和上(がんじんわじょう)が上陸するなど,中国,東南アジア等との交流の拠点として栄えるとともに,16世紀には鉄砲,キリスト教伝来の地として早くから西欧文化に出会った地でもあります。

また,19世紀後半には,西洋技術・文化を積極的に取り入れて,産業の近代化を進めた「集成館(しゅうせいかん)事業」が行われ,その中核を担った「旧集成館(きゅうしゅうせいかん)」などは,この度世界文化遺産として登録された「明治日本の産業革命遺産」の構成資産となっております。

この鹿児島の地において,全国各都道府県,さらには海外からも,様々な文化活動に取り組まれている方々を迎え,第30回の節目となる国民文化祭が開催されることは,誠に喜ばしいことであります。関係者の皆さんが開催のために払われた努力に対し,心から敬意を表します。

東日本大震災から4年余りがたった東北の被災地では,多くの方々が今なお困難な状況にあります。文化芸術の持つ大きな感動と活力により,一刻も早い復興を成し遂げようとされている被災地の方々に勇気と明るさを与えるものとして,国民文化祭が大きな役割を果たすことを期待しております。

鹿児島県では,「本物(まる)鹿児島県~文化維新は黒潮に乗って~」のテーマの下,国内外の多くの方々が参加し,共に創り上げていく中で,文化芸術のすばらしさを再認識し,将来にわたって共有する取組が進められていると伺っております。

このような取組を通じ,人と人の(きずな)や地域の連帯感が深まるとともに,新たな文化を創造していく場として,「国民文化祭・かごしま2015」が大きな成功を収めることを願い,私の挨拶といたします。

第18回全国農業担い手サミットinみやざき
平成27年11月10日(火)(宮崎市民文化ホール)

「第18回全国農業担い手サミットinみやざき」に,全国各地から参加された皆さんと共に出席できることをうれしく思います。

農業は,食料の生産と供給を通じて,人々の健康と暮らしを支えているほか,国土や自然環境を保全し,水源を(かん)養する重要な役割を果たすとともに,緑豊かな美しい景観をつくり出し,それぞれの地域で特色ある文化を育んできました。

皆さんが,このような大切な役割を果たす農業を担い,地域のリーダーとして,農業・農村の発展に意欲的に取り組まれていることを,大変心強く感じます。

ここ宮崎県は,温暖な気候や豊かな大地に恵まれ,平地から山間地に至る変化に富んだ地形や標高差など優れた自然条件をいかし,早期水稲や畜産,施設園芸などを中心に,全国有数の農業県として地域の特色をいかした農業が展開されていると伺っております。また,過去に口(てい)疫が発生した経験を踏まえ,全国のモデルとなる安全・安心で付加価値や収益性の高い畜産の構築に取り組まれていると伺っております。

全国から集まった農業の担い手の皆さんが,「語ろう未来を 受け継ごう今を!」のテーマの下,農業経営に関する互いの知見や情報を交換し合い,将来の農業のあるべき姿を探求することは,日本の農業と各地域の発展のために,誠に意義深いことと思います。

農業を取り巻く環境が大きな転換期を迎える中,皆さんが,このサミットを通して,貴重な農業資源や先人が培った優れた技を将来に受け継ぐとともに,様々な困難や課題を克服し,新しい時代を切り(ひら)く日本の農業を力強く築いていかれることを願い,私の挨拶といたします。

第5回世界工学会議開会式
平成27年11月30日(月)(国立京都国際会館)

Address by His Imperial Highness The Crown Prince
at the World Engineering Conference and Convention (WECC2015) Opening Ceremony
Monday, November 30, 2015
Kyoto International Conference Center

Mr. President,
Ladies and gentlemen,

It is my great pleasure to attend the opening ceremony of the 5th World Engineering Conference and Convention (WECC2015), with many participants from Japan and overseas.

The origin of WECC can be traced back to 1929, when the Japan Federation of Engineering Societies hosted the World Engineering Congress (WEC) in Tokyo through the collective efforts of industry, academia, and the government of the time. The WEC concluded successfully and sent out a message to the world that Japan had recovered from the Great Kanto Earthquake. Later, in 1968, the World Federation of Engineering Organizations (WFEO) was founded with the objective of fostering peace and world-wide socioeconomic progress by encouraging advances in engineering and international exchanges. I understand that currently, a World Engineers' Convention is held roughly every four years under the leadership of WFEO. I am delighted that the 5th WECC will be convened in Kyoto, a city that has successfully fused tradition and cutting-edge technologies, and has, at the same time, preserved Japan's culture and heritage while developing state-of-the-art technologies.

I believe that it is of great importance to hold discussions at WECC2015 as to how we can realise innovations and solve those challenges that face communities, such as energy issues as well as natural disasters and the safety of people. From the perspective of "Engineering for Society and Engineering in Society" towards the establishment of a sustainable society, it brings together the business community, academia, the educational community, the government, and civil society.

It seems timely to convene WECC2015 in Japan as the world's expectations for Japan's initiatives to promote sustainable development based on the lessons learned from the Great East Japan Earthquake such as the development of the social infrastructure, resilient to natural disasters, has been getting higher and higher. Against this background, WECC2015 will offer valuable opportunities for sharing Japan's efforts with leading players from various sectors around the world.

In closing, I would like to express my sincere respect to all those who have dedicated themselves to the advancement of engineering from the perspective of "Engineering for Society and Engineering in Society." I hope that WECC2015 will fulfill its role in presenting new directions for solving the key challenges facing mankind in the 21st century and will propose concrete measures to this end. It is also hoped that a global awareness of the key roles played by engineers and researchers will be promoted.

Thank you.

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