主な式典におけるおことば(平成15年)

皇太子妃殿下のおことば

平成15年度「子ども読書の日」記念”子どもの読書活動推進フォーラム”式典
平成15年4月23日 (水)(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター)

「子ども読書の日」を記念して開催される「子どもの読書活動推進フォーラム」に,日ごろから子どもの読書活動に取り組まれている皆様方と共に出席できますことを,うれしく思います。

「子どもの読書活動の推進に関する法律」が一昨年制定され,今日4月23日が「子ども読書の日」に定められました。この日を記念して,子どもの読書活動についての理解と関心を高めるための催しが開かれますことは,大変意義の深いことと思います。これまで,子どもの読書活動を様々な形で支えてこられた多くの皆様の努力に対し,心からの敬意を表しますとともに,本日表彰をお受けになります方々にお祝いを申し上げます。

私たちは,本を読むことによって知識を深めるだけでなく,様々な驚きや喜び,そして時には悲しみに出会います。本を通して,自分自身の体験を超えた未知の世界を旅し,想像を膨らませることができることは素晴らしいことと思います。私たちの家庭では,この1年ほど,幼い子どもに絵本の読み聞かせをしておりますが,子どもが絵本のページにうれしそうに声を上げたり,にっこりとするのを目の当たりにする時,幼い子は幼い子なりに,絵本から沢山の楽しみを見いだしていることを実感し,子どもにとっての本の素晴らしさを改めて感じています。

近年,子どもたちの読書離れを心配する声もありますが,数多くの子どもたちが,良い本との出会いを通じて,心豊かに育っていくことを心から願いたいと思います。子どもたち一人一人が,読書の楽しさや喜びを発見し,そして本への関心を深めていく機会に恵まれますよう,ここに集われた皆様の活動が,これから更に大きく実を結んでいくことを願い,ごあいさつといたします。