皇太子妃殿下お誕生日に際し(平成5年)

皇太子妃殿下お誕生日に際してのご感想

平成5年12月9日(木)

9日の誕生日でちょうど結婚後半年を迎えますが,この間多くの新しいことを学び経験する機会に恵まれ,あっという間に半年が過ぎたようにも感じますと同時に,6月9日の結婚の諸行事からまだ6か月しか経っていないことが不思議にも思えます。この半年間,特にはじめの2・3か月は無我夢中で日々を過ごしてきたような気がいたします。

今年1月19日の皇室会議以来,1年足らず間,天皇皇后両陛下には,常に温かく,お優しいお心を持って導いて下さり,皇太子殿下には,何事においても良き相談相手となって下さり,大きな力で私を支えてきて下さいました。これまで,私の至らないところも,両陛下,皇太子殿下の寛大なお心でお許しをいただきながら,また,他の多くの方々のお助けをいただきながら,結婚後の半年間を元気に過ごしてこられましたことを心から感謝申し上げております。このようにお導き下さっている皇后様のご不例は,本当に心の痛むことにあり,常にお優しく他の人のこと,国民のことを思いやっていらっしゃるお心の深い皇后様が,一日も早く完全によくおなりになりますことを日々お祈り申し上げております。

結婚後,幾度か地方に出かけたり,いろいろな行事に参加する機会がございましたが,その一つ一つの新しい経験に新鮮な感動を覚えながら,務めにのぞんで来たように思います。特に,地方への訪問時には,各地で多くの方から温かい歓迎を受け,大変有り難く思いました。今後も,一つ一つのことを大切に学びながら,責任ある務めを果たしていくよう修練に勤め,天皇皇后両陛下や皇太子殿下をお助けしていくことができるよう心がけていきたいと思っております。