天皇皇后両陛下 英国ご訪問時のおことば

英国

平成24年5月17日(木)
英国の日本関係者ご引見における天皇陛下のおことば(大使館ボールルーム)(和訳)

それぞれの方々とお話しを始めます前に,ここにおられる全ての皆さんに,一言お礼を述べたいと思います。

私ども-皇后と私-,そして数多くの日本国民は,昨年3月11日,痛ましい大災害が日本を襲った際,英国の人々が時をおかずに示された対応に,深く感動致しました。

この国の多くの人々が,災害の犠牲者に対し,同情を示して下さったにとどまらず,困難な状況に置かれた被災者のために,多岐にわたる貴重な救援活動を迅速に実施されたことは,誠に心励まされることでした。

皆さんの思いやり溢れ,また,実効性に優れた救援活動は,これまで日英両国民の間で長きにわたって育まれてきた深い友情を,さらに強めるものであったことと感じております。

このような貴重な支援活動を企画,実施するにあたり,大きな役割を果された皆さん方に対し,英国女王陛下の即位60周年というこの記念すべき機会に,私どもの心からの感謝を直接お伝えできますことを,誠にうれしく思います。

ありがとう。

平成24年5月19日(土)
在留邦人代表ご接見における天皇陛下のおことば(大使公邸)

女王陛下の即位60周年にあたってご招待をいただき,英国を訪問した機会に在留邦人代表の皆さんにお会いすることをうれしく思います。

一昨日は東日本大震災にあたり様々な形で日本の支援に携わった英国の関係者にお会いし,多くの英国の人々が日本の人々のために力を尽くしていることに深い感謝の気持ちを持っていることを伝えました。ほぼ60年前英国の対日感情が決して良好とは言えなかった時代に昭和天皇の名代として戴冠式に参列した私には,今日の日英間に結ばれて来た強い絆に深い感慨を覚えます。これはひとえに皆さん方在留邦人が英国の人々と共にたゆみなく相互理解と友好を培ってきた努力の現れと思います。ここに皆さん,並びに皆さんの先輩方に深く敬意を表します。

どうか皆さんには体を大切にされ,今後とも両国民間の友情が一層強まるよう努力してくださることを願ってやみません。