日本産魚類検索-全種の同定 第二版

「日本産魚類検索-全種の同定」{平成5年(1993年)刊行}の初版本から7年の歳月が流れ,魚類分類の研究方法も進み,また新たに発見された新種や日本で初めて報告された種などがかなりの数となったため,稿を全面的に改めることとなりました。改訂新版としての「日本産魚類検索-全種の同定」の第二版(2冊組)は平成12年(2000年)12月20日に発刊されました。

本書第二版には,日本産魚類の全種約352科の3863種が収録されており,初版に比べ,258種がこれに追加されています。本書は,天皇陛下を含め14名の研究者によって共同執筆されています。初版の「ハゼ亜目」の項は,天皇陛下と生物学研究所職員3名の共同執筆によるものでしたが,平成10年(1998年)11月に本書初版の編者であった中坊徹次博士(京都大学教授)から陛下に,第二版についても「ハゼ亜目」の項をご執筆頂きたいとの依頼がありました。

初版の「ハゼ亜目」には342種が収録されていましたが,第二版では413種となり,初版に比べ,74種が追加されています。これらハゼ亜目魚類の全体について,陛下とご一緒に生物学研究所職員が携わって,改訂が行われました。

陛下は本年8月に「Ichthyological Research」でトサカハゼ属3種についての論文を共著でご発表になりましたが,この論文に基づき,本書の初版と第二版とでは,この属の分類形質をご変更になりました。第二版のトサカハゼ3種の図は,陛下ご自身でお描きになったものです。