本日,全国赤十字大会に出席し,日ごろより赤十字の活動に深く携わっておられる皆様方と親しくお会いいたしますことを,大変うれしく思います。
赤十字は国際的な強い
今年は日本赤十字社が,明治10年の西南の役を契機に,博愛社として創立されて130周年になります。これまで,日本赤十字社の事業の発展に力を尽くしてこられた方々に対し,この機会に,心から敬意と感謝の意を表します。
世界には,相次ぐ自然災害や武力紛争によって,人道的な支援を必要としている人々が数多くおり,赤十字に寄せられる期待と要請は,今後ますます高まってくるものと思われます。
これからも,皆様方が赤十字の尊い使命を心に持たれ,より一層力強い活動を国の内外において進められますよう,切に希望いたします。
このたび,
志田さんは,昭和16年,救護看護婦に任命されて以来,戦時にあっては,外地の病院や病院船で傷病兵を看病し,また終戦時には,引揚病院船内において,復員傷病兵及び一般邦人の引揚者を日夜献身的に看病され,これら多くの同胞が,再び祖国の地を踏むことを可能とする上で,大きな役割を果たされました。戦後も,勤務された赤十字病院の医療体制の改善につとめられ,看病の面はもとより,患者の療養環境の向上をはかるとともに,当時まだ見過ごされがちであった病児の学習環境を整え,成長期の子どもの生活指導を条件付け,これを養護学校の院内分室開設へと
松木さんは,昭和30年代,米国留学中に「看護診断」という看護師の行う専門的判断の仕方を学び,これからの看護に必要なものとしてわが国に紹介し,これを導入,普及,更に検証するという,大きな役割を果たされました。病者の看護にあたっては,医師の行う病気の診断のほかに,病気が患者にもたらす苦しみ,更に患者の治療への反応など,療養上のさまざまな体験を深く理解しつつ,看護にあたることが必要であるとの認識から生まれたこの「看護診断」は,臨床の場で看護の対象となるべき種々の現象を正確に分析,分類することにより,混
川嶋さんは,病者の苦痛の中に,病気そのものからくる苦痛とともに,病者がかつて自立して行っていたさまざまな生活行動に不如意をきたしたことに起因する苦痛が,いかに大きいかに深く心を寄せ,病者の日常生活行動を援助し,それにより病者の生活の質を高め,生きる意欲を引き出すという高い看護の理想のもとに,長きにわたり現場の看護師の指導を続けてこられました。病む人の食,排
ここに,お3方の長年にわたる看護への献身とたゆみない努力に対し,深く敬意を表し,このたびの受章を心からお祝いいたします。
受章者の皆様が,苦しむ人々の助けとなるべく培われた看護に対する真