天皇陛下のご感想(新年に当たり)

平成21年

昨年は,台風の上陸もなく,自然災害による犠牲者の数は,例年に比べれば少なかったのですが,岩手・宮城内陸地震及び岩手県沿岸北部を震源とする地震によって,山間部に大きな被害がもたらされ,人命が失われたことは痛ましいことでした。日本の厳しい自然のもとでは,皆が防災に対する認識を更に深めることが大切であると思います。

また,秋以降,世界的な金融危機の影響により,我が国においても経済情勢が悪化し,多くの人々が困難な状況におかれていることに心が痛みます。国民の英知を結集し,人々の絆を大切にしてお互いに助け合うことによって,この困難を乗り越えることを願っています。

今年は,私が即位してから満20年,そして,私どもが結婚してから満50年にあたりますが,歳月の流れにいろいろと思いを致しております。皇后と共に,これからも,国と国民のために尽くしていきたいと思います。