三の丸尚蔵館 第75回展覧会について

1. 展覧会名

「寿ぎの品々を読み解く」

2. 会期

平成29年1月7日(土)~3月12日(日)
           前期:1月7日(土)~2月5日(日)
           後期:2月11日(土)~3月12日(日)

  • 休館日:毎週月・金曜日,展示替の期間

           ただし,1月9日(月・祝)は開館し,1月10日(火)は休館いたします。

  • 開館時間:1月7日(土)~2月28日(火)
                         午前9時~午後3時45分(入館は午後3時30分まで)
                      3月1日(水)~3月12日(日)
                         午前9時~午後4時15分(入館は午後4時まで)
3. 概要

明治期以降,皇室の御慶事に際しては,各方面からお祝いの品としてめでた尽くしの掛軸や置物など,美術品の数々が献上され,現在,その一部が当館に引き継がれています。本展では,これらの品々に示された伝統的な吉祥の主題が,新しい時代の感覚によってどのように表現されたか,その造形美に注目して紹介します。

その中でも鶴と亀,松の取り合わせは,蓬萊模様,蓬萊図などと呼ばれ,祝儀の品には欠かせない主題です。これは,もとは古代中国の神仙思想において,不老長寿がかなう場所である蓬萊山を描いた図様から発展してきたものです。伝統的な蓬萊山図を,近代の画家たちがどのように解釈して描いたのか,横山大観をはじめとする画家たちの試みを見ていきます。

また,近代ならではの表現として,社頭図(しゃとうず)があります。古くは寺社の境内を俯瞰図としてとらえ,これを身近に飾ることで参詣の代わりとしたものが社頭図ですが,名所を描いた名所絵と結びついて新たに展開していきます。大正期の作品では,境内の風景を画面に切り取ってめでたき景観として描き,花瓶や刺繍屏風にまでその景観が表されました。

このほか,神の使いとされた鹿や鳩,烏などの動物が表された品々,長寿の象徴である寿老人や霊芝の置物,高砂図を紹介します。

これらの品々に込められた健康と長寿,夫婦愛など,さまざまな寿ぎの意味を読み解きながら,その造形をお楽しみ下さい。

<主な出品作品>
蓬らい山
作品番号4 蓬萊山 1幅
横山大観 昭和3年(1928) 【後期】
青年画帖19図のうち徳若五万歳 青年画帖19図のうち高砂図
作品番号5 青年画帖 1帖
池田真哉ほか 明治27年(1894) 【前期】
(19図のうち)
庄司竹真 徳若五万歳
(同左)

(19図のうち)
尾形月耕 高砂図

天壌無窮 内宮・外宮・二見浦旭日図天壌無窮 内宮・外宮・二見浦旭日図天壌無窮 内宮・外宮・二見浦旭日図
作品番号8 天壌無窮 内宮・外宮・二見浦旭日図 3幅対
中村左洲 大正14年 (1925) 【前期】
刺繍神宮之図屏風
作品番号12 刺繍神宮之図屏風 四曲一隻
大野隆平ほか 大正13年 (1924)頃 【後期】
瓦片鳩
作品番号18 瓦片鳩 1点
山田宗美 明治38年(1905) 【全期間】
寿老人置物
作品番号26 寿老人置物 1点
三輪休雪(10代) 昭和3年(1928) 【全期間】
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