「北欧の工芸-
平成28年1月9日(土)~3月6日(日)
ただし,1月11日(月・祝)は開館し,1月12日(火)は休館いたします。
当館には明治から昭和の時代にかけて世界各国から皇室へ贈られた美術工芸品が数多く収蔵されており,その内容の多彩さが収蔵品の一つの特色となっています。このたびは,近年,北欧デザインと呼ばれて多くの人々に親しまれるようになった北欧の国々の工芸に焦点を当て,その魅力と特徴を紹介します。
本展で取り上げる工芸作品は,陶磁,ガラス,金工,染織を含むもので,世界的にも著名なデザイナーが関与した作品を始めとして,いずれも熟達した職人の手になるものです。これらの中には,優れたデザイン感覚によるシンプルな造形のものや,愛らしく親しみやすい作品も少なくありません。清涼感のあるガラス作品の美しさは,澄み切った北欧の空気を感じさせる魅力があります。また,陶磁器に見られる深みのある落ち着いた色遣いや,その一方で荒々しい陶土の質感をいかした作風など,素材の風合いをいかす制作姿勢には,私たちも共感を覚えるのではないでしょうか。これらの特徴は,北欧の雄大な自然の恵みを受けて生活を送る人々の感覚に根ざしたものと言えるでしょう。
近代の早い時期からわが国が交流を重ねてきた北欧の国々の工芸作品を通じて,その洗練された美に注目するとともに,もの作りに寄せる深い心に触れていただければ幸いです。
〈陶磁〉
〈ガラス〉
〈金工〉