三の丸尚蔵館 第61回展覧会開催要領

1. 展覧会名

明治十二年明治天皇御下命「人物写真帖」-四五〇〇余名の肖像

2. 会期

平成25年1月12日(土)~3月10日(日)
      (写真保護のため,期間中に随時展示箇所の入れ替えを行います。)

  • 休館日:

    毎週月・金曜日
        但し,1月14日(月・祝),2月11日(月・祝)は開館し,翌火曜日は休館します。

  • 開館時間:

    2月28日(木)まで:午前9時~午後3時45分(入館は午後3時30分まで)
        3月2日(土)から会期終了まで:午前9時~午後4時15分(入館は午後4時まで)

3. 概要

19世紀中頃,写真技術がわが国に初めてもたらされてから,わずか20年ほどの間に写真は急速に普及し,各地に写真師が登場しました。新たな明治という時代を迎え,その記録性が重視された写真は,明治天皇の御巡幸や全国の古器旧物の記録など,公的な活動にも用いられました。そうした中,明治11年(1878)に大蔵省印刷局に写真撮影所が設けられ,公の機関としての活動が開始されました。

本展で紹介する「人物写真帖」の制作は,明治12年,明治天皇が深く親愛する群臣の肖像写真を座右に備えようと,その蒐集を宮内卿に命じられたことに始まります。そして,宮内省主導のもと,大蔵省印刷局が撮影や写真帖の制作を担当し,この事業は進められました。現存するこの写真帖の総冊数は39冊,有栖川宮幟仁親王を始め皇族15方,諸官省の高等官ら4531名が収められており,そこには,幕末から明治維新にかけて,改革に奔走し,新政府の成立に尽力した人物に加え,各分野で日本の近代化を担った人々の姿があります。また,このうちの15冊には,肖像写真とともに小色紙に記された621名分の詠進歌が収められており,本作品制作の特殊性を示しています。

自らの姿を撮影する機会の少なかった時代,この写真帖のための肖像撮影が,初めての体験であった人も少なくなかったでしょう。多くの高等官がその関心の有無にかかわらず写真撮影を経験したことは,日本国内において,その普及を格段に進めることにつながったと考えられます。

今回の展覧会では,わが国の写真の歴史において,重要な役割を果たした事業として位置づけられる本作品の全容と共に,若き明治天皇を支え,日本の近代化の礎を築いた人々の姿を紹介いたします。

明治十二年明治天皇御下命「人物写真帖」39冊
1.《明治十二年明治天皇御下命「人物写真帖」》 39冊
有栖川宮熾仁親王
2.有栖川宮熾仁親王
46歳(1835-95)
三條実美
3.三條実美
44歳(1837-91)
伊藤博文
4.伊藤博文
40歳(1841-1909)
西郷従道
5.西郷従道
38歳(1843-1902)
勝海舟
6.勝海舟
58歳(1823-99)
東郷平八郎
7.東郷平八郎
34歳(1847-1934)

この写真帖には,有栖川宮幟仁親王をはじめ皇族15方,岩倉具視,大久保利通,木戸孝允,大隈重信,山県有朋,松方正義など歴史上著名な人物や,乃木希典,秋山好古などの軍人や,各方面で活躍した人物の貴重な肖像写真が収められています。このうち,展示室では,およそ100名を紹介し,展覧会図録には373名の肖像写真と,総勢4531名の人名一覧を掲載しています。