所蔵資料詳細

鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)

須恵器大甕
奈良県大和高田市に所在する磐園(いわぞの)陵墓参考地から出土した鰭付(ひれつき)円筒埴輪である。通常の円筒埴輪に鰭状の突出部が左右2カ所に取りついたもので,おもに古墳時代前期から中期にかけて見られる。ここで紹介する鰭付円筒埴輪は全形がわかる資料として貴重なものである。鰭付円筒埴輪は円筒埴輪と同様に古墳の墳丘上に列をなして立て並べられていたもので,鰭同士が重なったり接したりするように並べられていたようである。列になった鰭付円筒埴輪は取りつけられた鰭によって古墳の外側の世界と古墳とを遮蔽(しゃへい)する。鰭のつかない円筒埴輪にくらべ,外界と遮蔽する意図が強かったことがうかがわれる。高さ110.0㎝,鰭を含めた最大横幅51.5㎝。