所蔵資料詳細

埴輪女子頭部(はにわじょしとうぶ)

埴輪女子頭部
本品は,大阪府仁徳天皇陵から明治年間に出土した人物形埴輪の頭部であり,長い髪を前後で折り返して束ねる島田髷に似た髪型をしている。このことから女性であり,巫女のような性格の女性であろうと考えられている。眉,鼻,耳たぶは粘土を盛り上げることで表現し,目はくり抜き,口・鼻孔・耳孔は工具を突き刺すことで表現している。その素朴な技法がかえって何ともいえない微妙な表情を示している。本品は,人物埴輪出現期に当たるものと考えられており,この種の埴輪の持つ意味を考える上でも重要な資料である。