画像 | 説明 |
---|---|
三峰窯(みつみねがま)は,御殿場御別邸で療養生活を送られていた秩父宮雍仁親王殿下の陶芸に親しみたいという思召しにより,昭和25年(1950)に陶芸家加藤土師萌によって築かれた窯です。三峰窯の名前は,御殿場御別邸から眺められる富士,箱根,愛鷹の三峰,そして宮号と縁の深い秩父三峰との関わりから,殿下によって名付けられました。殿下は加藤土師萌の指導を受けられて,年1回3年間にわたって陶芸制作を行われ,限られたわずかな機会にも関わらず,やきものに対するご関心や学究的なお人柄が偲ばれる優れた御作を遺されました。その御作の数々は殿下が薨去された昭和28年に,東京と大阪で開催された「秩父宮御遺作展」によって多くの人々の注目を集め,翌年には御作を後世に伝えるべく有志の方々の熱意により,秩父宮御遺作図録『玉葉流芳』として一書にまとめられました。 雍仁親王殿下が薨去されてからしばらくの間,三峰窯は閉じられていましたが,その後再び皇族方や親しい方々がお訪ねになり,秩父宮妃勢津子殿下を囲んでやきもの作りを楽しまれました。高松宮宣仁親王殿下と同妃喜久子殿下もたびたび三峰窯を訪ねられ,ご制作のひとときを過ごされました。両殿下は美術全般にご造詣が深く,お作りになった茶碗などには,いずれの器にも洗練されたご趣味が窺えます。 本展では,旧秩父宮家と旧高松宮家のご遺贈品の中から,三峰窯にまつわる陶芸作品や,その指導に当たった加藤土師萌など両宮家に縁の深い陶芸家の作品を紹介します。 本展開催に当たり,貴重なご所蔵品を出品いただきました御殿場市(秩父宮記念公園)に厚く御礼申し上げます。 展覧会図録(PDF形式:41.6MB) |