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1900年(明治33年)に開催されたパリ万国博覧会は,19世紀最後の万国博覧会としてそれまでの100年を顧みると同時に来るべき新世紀に臨んで,その内容は大変に華やかだったことが知られています。様々な部門には各参加国から選抜された品々が集められましたが,特に美術工芸に関して日本は積極的に参加しました。そして帝室(皇室)および宮内省も出品に関わることとなり,御下命によって,帝室技芸員を中心に23名の作家に出品作の制作が依頼されました。その内容の決定までには宮内省と作家との間で検討が重ねられ,各作家はその持てる技を尽くして制作に当たりました。これらの出品作は,まぎれもなく各作家の代表作に位置づけられ,日本の近代美術工芸史を考える上でも重要な作品となっています。 本展ではこの博覧会出品作に加えて,同時代の帝室技芸員による内国勧業博覧会や展覧会出品作,御下命等により制作された品を併せて紹介します。今回出品する作品の多くは宮殿等で実際に使用されていたと考えられ,調度としての装飾性の強い側面も持っています。当時の日本美術を代表する作品として,1900年パリ万国博覧会に出品された品々はどのようなものだったのか,その美と歴史的意義を改めて考える機会といたします。 展覧会図録(PDF形式:86.5MB) |