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古くから人間と動物のかかわりは深く,ひとびとは動物の姿かたちをさまざまなかたちで数多くの美術作品のなかに描き,刻みあらわしてきました。動物は日常的な生活の場での身近な愛玩や使役の対象として親しまれる一方,あるときには,厳しい自然の力の象徴として,あるいは超自然的な力をそなえた神仏として畏怖されることもありました。また,時代によっては,特定の動物を所有すること自体が,人間世界での権威のあらわれであるともされていました。動物は,生活や歴史,信仰をテーマとした文学,芸術を語るうえで欠かすことのできない存在だったわけです。そして,自然を合理的に観察する態度が芽生えはじめた近世後期以降には,動物を動物として客観的にとらえようとする意欲も生まれてきます。そのような人間が動物に抱く多面的な想いがあったからこそ,多彩な動物表現が長い歴史のなかで生みだされることになったといえます。 本展覧会は,こうした視点から,主として日本の美術に焦点をあてながら人と動物の関係を当館所蔵品のなかで探り,紹介しようとするものです。 展覧会図録(PDF形式:73.6MB) |