展覧会概要

第4回
古記録にみる王朝儀礼
平成6年7月5日~8月28日

画像 説明
古記録にみる王朝儀礼

王朝びとにとっては,元旦の四方拝から大晦日の追儺まで,いわゆる年中行事や人生の節目に行われる儀式行事を定められた作法にしたがって正しく遅滞なく執り行うことが,とりもなおさず重要な日々の暮らしそのものでありました。人びとはその地位に応じて,それぞれの儀式次第を学び,先例を調べ,正しい運営を旨としました。また一方で,自分の見聞きした行事の個々の記録を日々の日記のなかに書留め,次回以後の自身や後代の子孫の参考の用としたため,日記は年中行事や儀式儀礼の重要な史料集となっています。

今回は,これら王朝びとの儀礼について,「更級日記」を世に伝え,また,自らの日記「明月記」を書き遺した歌聖・藤原定家が中心となって書写した平安時代後期の二種の日記『長秋記』(源師時記)・『平兵部記』(平信範記,別称『兵範記』),および鎌倉時代書写の儀式書『西宮記』(源高明著)・『新任弁官抄』(藤原俊憲著)によって,当時の様子を窺がうこととしました。さらに,明治時代に失われつつある伝統儀式の調査復元を試み,後世に残そうとした書『公事録』の附図を通して,それまで伝えられてきた王朝儀礼の一端をも紹介します。

これらによって,伝統儀礼を大切にしてきた古人の行為や貴重学術史料の伝存の様子をご覧いただければ幸いです。