埼玉鴨場(埼玉県越谷市)及び新浜鴨場(千葉県市川市)では,野生の鴨を無傷のままで捕獲する独特の技法が維持保存されています。
我が国では,古くから網や鷹を使って鴨を捕獲していました。一方,鴨場で行われている技法は,元溜(もとだまり)と呼ばれる13,000平方メートル(約4千坪)の池に集まった野生の鴨を訓練されたアヒルを使い引堀に誘導し,絹糸で作られた叉手網(さであみ)と呼ばれる手持ちの網を用いて鴨が飛びたつところを捕獲するものです。この技法は,江戸時代に将軍家や大名家に伝わっていたものを明治以降,皇室が継承して今日に至っています。
鴨場は,内外の賓客接遇の場としても用いており,毎年11月15日から翌年2月15日までの狩猟期間に招かれた閣僚,国会議員,最高裁判所判事や各国の外交使節団の長等がこの独特の技法で自ら鴨を捕獲します。
なお,捕獲した鴨は,国際鳥類標識調査に協力して種類,性別などを記録し,標識(足環)をつけ,すべて放鳥しています。猟期外には地元住民の施設見学会を行うなど,鴨場は市民の自然保護観察の場としても貴重なものとなっています。
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新浜鴨場で放鳥される 秋篠宮同妃両殿下 (写真:宮内庁) |
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叉手(さで)網を使って鴨を傷つけることなく捕獲する賓客 (写真:宮内庁) |
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鴨の捕獲,放鳥の後,午餐が催される食堂 (写真:宮内庁) |